岩木山お山参詣は15日、最終日の「朔日山(ついたちやま)」(旧暦8月1日)を迎えた。登山者約250人が岩木山頂からご来光を仰ぎ、五穀豊穣(ほうじょう)と家内安全を願い手を合わせた。
登山者は未明からヘッドライトの明かりを頼りに、急峻(きゅうしゅん)な斜面をよじ登り山頂へ。空が白み始めた午前4時半ごろから日の出近くの同5時まで、山頂は深い霧が立ち込めていた。同5時20分過ぎ、強い風とともに一瞬霧が晴れ、朝日が姿を現した。参拝者の歓声と登山ばやしが山頂に響き渡り、辺り一面が暁色に染まる幻想的な光景に包まれた。
初めて参拝し笛を吹いた古川一向(はるが)さん(柏木農業高校1年)は「登るのは大変だったが、きれいな日の出を見ながら吹けて楽しかった。来年はもっとうまくなって戻ってきたい」と話した。16日に誕生日を迎えるという弘前市の会社員一戸美代子さん(46)は「朝日が姿を現した瞬間、ぐっと胸に迫るものがあった。良い一年になると確信した」と爽やかな表情だった。