ご来光、希望わいた 岩木山お山参詣「朔日山」 青森県

雲間からご来光を拝む参拝者=15日午前5時27分、岩木山山頂
お山参詣の朔日山で、山頂からご来光を拝む登山者たち=15日午前5時25分ごろ
日の出とともに登山囃子を奏でる参拝者(左端)=15日午前5時半ごろ、岩木山山頂

 岩木山お山参詣は15日、最終日の「朔日山(ついたちやま)」(旧暦8月1日)を迎えた。登山者約250人が岩木山頂からご来光を仰ぎ、五穀豊穣(ほうじょう)と家内安全を願い手を合わせた。

 登山者は未明からヘッドライトの明かりを頼りに、急峻(きゅうしゅん)な斜面をよじ登り山頂へ。空が白み始めた午前4時半ごろから日の出近くの同5時まで、山頂は深い霧が立ち込めていた。同5時20分過ぎ、強い風とともに一瞬霧が晴れ、朝日が姿を現した。参拝者の歓声と登山ばやしが山頂に響き渡り、辺り一面が暁色に染まる幻想的な光景に包まれた。

 初めて参拝し笛を吹いた古川一向(はるが)さん(柏木農業高校1年)は「登るのは大変だったが、きれいな日の出を見ながら吹けて楽しかった。来年はもっとうまくなって戻ってきたい」と話した。16日に誕生日を迎えるという弘前市の会社員一戸美代子さん(46)は「朝日が姿を現した瞬間、ぐっと胸に迫るものがあった。良い一年になると確信した」と爽やかな表情だった。

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