マイナ保険証の県保険医協会調査 顔認証不具合、46%経験 政府方針「撤回すべき」が約半数

 長崎県保険医協会(本田孝也会長)は14日、マイナンバーカードに健康保険証の機能を持たせた「マイナ保険証」の実態調査結果を公表し、顔認証が正常に機能しなかったことがある医療機関が46%(302機関)に上ったと明らかにした。来年秋に従来型の保険証を廃止する政府方針については「方針を撤回すべき」が46.5%、「時期を延長すべき」が39.3%に上った。
 同協会員の医科・歯科の計1425機関を対象に8月18日~9月5日調査。654機関(回収率45.9%)が答えた。顔認証機能が付いたカードリーダーの不具合についてはほかに、「故障して困った」「暗証番号で認証できなかった」「本人以外の顔で認証した」などがあった。
 マイナ保険証で受け付けている外来患者の割合は「10%未満」が82.9%を占め、従来型からの切り替えが進んでいない状況が明らかになった。
 マイナ保険証の利用による業務量については、受付・事務担当スタッフの61.3%が「増えた」と回答。「減った」は3.9%にとどまった。増えた理由は「高齢の方でカードリーダーの使用方法が分からない」「顔認証がうまくいかない」「暗証番号を忘れている人が多い」など。一方で有用かどうかについては「思う」が31.8%で、「思わない」の19.8%を上回った。
 会見した本田会長は「従来の保険証を来年秋に廃止してしまうと現場は混乱する。残すか、廃止の延期が必要だ」と訴えた。

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