
鹿児島県は14日、「引きこもり」に関する初の実態調査の結果を公表した。把握できた引きこもり状態にある人は916人で、約6割が40歳以上だった。
県内の民生委員や児童委員4222人を対象に、昨年8月~12月にアンケートを実施した。回収率は72.5%だった。
年代別では、15~19歳61人、20~29歳87人、30~39歳165人、40~49歳236人、50~59歳207人、60~64歳106人、不明54人。特に就職氷河期世代の40代や50代に多い。
男女別では男性が645人(70.4%)、女性223人(24.3%)、無回答が48人(5.2%)。同居する家族構成は父母が62.4%と最多で、単身23.4%が続いた。引きこもりの期間は10年以上が最多の321人で約4割を占め、きっかけについて多かったのは「不明」の40.8%。
把握の経緯は、近隣住民からの情報提供が45.4%、次いで各世帯の見守りや安否確認時38.9%が多かった。
「引きこもり」の定義は(1)仕事や学校に行かず、家族以外の人との交流をほとんどせずに6カ月以上続けて自宅に引きこもっている(2)時々買い物などには外出するが、6カ月以上続けて家族以外との交流がない人-とした。
県障害福祉課によると、国の生活状況に関する調査を基に推計した県内の人数は約4500人としていた。「今回の報告より、潜在的な人数はもっと多いと思われる」としている。