個性派ズラリ!過去にはレジェンドと新入社員で誕生させた商品も 失敗を恐れない飲料メーカー「チェリオ」

大手と同じことをしても意味がない。京都市に本社を置く飲料メーカー「株式会社チェリオコーポレーション」は、「おいしい たのしい あたらしい」をスローガンに、独自路線を歩んでいる。

ロングセラーの「ライフガード」や「スイートキッス」をはじめ、自衛隊や話題のパインアメとコラボするなど個性的な商品がズラリ。他にも「コーンなにおいしいポタージュ」や「ママの手作り風ココア」などユニークなネーミングもある。関西、中部、沖縄エリアで約3万台の自動販売機を設置し、全国のコンビニやスーパーなどの量販店、同社の公式オンラインショップでも販売している。

チェリオ自動販売機(チェリオ提供)

社長のアイデアから生まれた2021年発売の「CBDX」(自動販売機のみ)は、リラックスしたい人が対象の商品。当初、社内では「こんなの売れるかなあ?」との声もあったが、500円の価格ながら好調の様子。配合されているCBD(カンナビジオール)とは大麻草の成熟した茎のみから抽出・製造された成分で、大麻取締法上の「大麻」には該当せず、美容や医療業界からも注目されている成分。実際に飲んでみると、見た目は微炭酸でグレープフルーツのような薄黄色。味はフルーティーな感じで飲みやすく、おいしかった。

2022年発売の「キャラメルポップコーンソーダ」は、甘く香ばしいキャラメルの風味と、ポップコーンのように弾けるしゅわしゅわ炭酸の絶妙なハーモニーで、リアルなキャラメルポップコーンの味を再現した。新入社員が1950年代のアメリカをイメージしたパッケージを考え、中身は70歳近いレジェンドの開発担当者が担当して完成したが、残念ながら販売終了となってしまった。

3種類のパッケージはつながるように工夫されていたキャラメルポップコーンソーダ(チェリオ提供)

年間20~30種類の新商品を開発しても、生き残るのは2、3種類。同社マーケティング部担当者は「面白くて新しい商品を出さなければチェリオらしくない!。そういった思いで、失敗を恐れず、チェリオ以外では販売できない商品を日々、和気あいあいと企画を出し合っています」と前向きだ。

「会長や社長から奇抜なアイデアが出ることが多いので、みんな出しやすいですね。少しとがった方向で商品開発を行うなど、新しいものには、どんどんチャレンジしていくようにしています」と同担当者が明かすように、肩書や年齢に関係なく、自由に意見を出せる社風。大手飲料メーカーと渡り合える強さが、そこにあった。

(よろず~ニュース・中江 寿)

© 株式会社神戸新聞社