パチンコ店から出て来た客に言いがかりをつけてコインロッカーに貴重品などを預けさせ、現金などを盗んだとして逮捕・起訴された男について、警察は男が同様の手口を繰り返し、6年間で合わせておよそ2867万円相当を盗んだとして15日、男を追送検し、捜査を終えました。
追送検されたのは、住所不定・無職の男(44)です。
警察によりますと、男は2017年1月からことし1月までの間、東京都千代田区神田4丁目の駐車場に設置されたコインロッカーなど全国132か所で、現金およそ2467万と財布など775点(時価合計およそ293万円)を盗んだ疑いがもたれています。
男は、パチンコ店から出た被害者らに対して「(店内などで)アニキとぶつかったから謝れ」などと因縁をつけて謝罪を要求。
「アニキがカネを要求するかもしれない」などと被害者の味方を装って貴重品をコインロッカーなどに預けさせると「鍵を持っていたらアニキに怪しまれる」などと言って鍵を預かるなどしたうえで、事前に準備した別の鍵とすり替えるなどして、被害者を別の場所に誘導したあと貴重品を盗んだとされています。
男は去年11月に広島市のJR広島駅に設置されたコインロッカーから、男性2人が預けていた財布と現金を盗んだとして2月に逮捕・起訴されていて、警察はその後の捜査で余罪が判明したとしています。
警察によると、2017年以降、新幹線の駅付近のパチンコ店で同様の被害が散発。男は景品交換した後の学生などをターゲットにして貴重品を盗むと、直後に発車する新幹線に乗って他県に逃走していたということです。
これまでに愛知県で20件を超える窃盗容疑がかけられているほか、警察は東京から福岡まで全国16都府県で、合わせて193人からおよそ2867万円相当を盗んだとみています(すでに逮捕・起訴されている事件も含む)。
男はすべての容疑について認めているということで、警察は「アニキ」は架空の人物で、共犯者はいないとみています。