虎党、歓喜! 阪神18年ぶりリーグ優勝で記念セールも、和歌山

阪神の法被を着せたペコちゃん人形と山田真治さん(15日、和歌山県田辺市上の山2丁目で)

 プロ野球阪神タイガースは14日、18年ぶりのリーグ優勝を決めた。この日を待ち続けてきた紀南のファンの喜びは大きい。

 洋菓子店「不二家田辺元町店」(和歌山県田辺市上の山2丁目)は、マスコットキャラクターのペコちゃん人形に11日から阪神の法被を着せていた。店を営む山田真治さん(47)は「18年は長く険しい、山あり谷ありの時間だったが、ずっと待っていた」と感慨深げ。今季は安心して見ていられる試合が多かったとして「リーグ優勝は通過点。次のステップ(日本一)を期待している」と話す。優勝に合わせ、店では17日まで、一部商品の価格を割り引く。

 阪神のオフィシャルスポンサー「上新電機」(大阪市)の「ジョーシン田辺店」(同市新庄町)は、15日から優勝記念セールを始めた。梅木靖彦店長(56)は「たくさんの商品や景品を用意している。この機会にぜひ来店いただきたい」とPRしている。

 コロナ禍に入るまで毎年、阪神2軍の公式戦があった上富田スポーツセンター野球場(上富田町朝来)管理人の菅谷満さん(65)は、私設応援団に入っていたほどのファンで、優勝は「そら、うれしい」と話す。主力である大山悠輔選手(28)や青柳晃洋選手(29)らがかつて上富田でプレーしていたといい「ぜひまた、将来を担う若手を間近で見たい」と期待した。

 田辺市出身で阪神OBの濱中治さん(45)は「12球団の中でも一、二を争う投手力に加え、打撃面では全員が後ろへつなぐという意識を共有できていた。岡田(彰布)監督の采配が見事にはまった」などとチームを評価。自身がかつて所属したオリックスもパ・リーグで現在首位を独走しており「日本シリーズでの『関西ダービー』を見てみたい」と話した。

 ファンらの消費行動も活発になるかもしれない。

 甲子園がある兵庫県西宮市出身で、経営コンサルティング会社「経営共創基盤」(東京都)共同経営者でもある「南紀白浜エアポート」(白浜町)の岡田信一郎社長(52)は、来年以降に熊野古道の世界遺産登録20周年や大阪・関西万博が控える和歌山県としても「わくわく感を増幅させ、景気浮揚効果が期待できるのではないか」と話した。

 関西大学(大阪府)の宮本勝浩名誉教授(78)は、関西地域での経済効果が推定で約872億円に上るとの試算を発表した。

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