スポーツ用品大手のアシックス（神戸市中央区）は15日、廣田康人社長（66）が代表取締役会長に就任し、社長に富永満之常務執行役員（61）が昇格する人事を発表した。来年1月1日付。富永氏は同3月22日の定時株主総会などが終了した後、代表取締役となる。取締役会長の尾山基氏（72）＝神戸商工会議所副会頭＝は相談役となり、来年3月には取締役を退く。
同社の社長交代は約6年ぶり。富永氏は最高執行責任者（COO）を兼務し、廣田氏は引き続き最高経営責任者（CEO）を担う。東南・南アジアなどへのグローバル展開や、マラソン大会や練習で得た顧客データを生かすデジタル事業を進めるため、海外経験が長く、IT分野にたけた富永氏にトップを託す。
富永氏は神戸市中央区出身で、日本IBMなどを経て2018年にアシックスに入社。20年に常務執行役員に就いた。廣田氏は三菱商事出身で、18年3月に社長に就任。商品販売にカテゴリー制を敷いて収益性を高めた。
一方、相談役に就く尾山氏は、創業者の故鬼塚喜八郎氏の娘の夫。08～18年に社長を務め、18年から会長に就いていた。今後、財界や業界団体の活動に注力するとみられる。（大盛周平、赤松沙和） 【富永満之氏（とみなが・みつゆき）】米カリフォルニア・ポリテクニック州立大卒。87年アンダーセン・コンサルティング（現アクセンチュア）。日本IBMなどを経て2018年アシックス。20年常務執行役員。神戸市中央区出身。
