「住民に議論が見える開かれた議会」を目指し近年、本会議などの様子をインターネット中継する議会が増えています。そんな中安芸高田市議会ではこの“ネット中継”を巡りある事態が起きているんです。
12日の安芸高田市議会一般質問 初日。トップバッターとして最大会派の山本数博議員が質問を予定していましたが…
最大会派「清志会」山本数博議員「この度の質問を行えば今後どのような形で配信されるか分かりません。このことから身の安全を考えこの度の質問を取り下げさせていただくことにいたしました」
山本議員は市議会YouTubeチャンネルで配信中の自身の過去の質問を編集した動画がネット上で公開されたことで誹謗中傷を受けたとし、一般質問を取りやめたのです。
安芸高田市議会では「市民に開かれた議会」を目指し2016年から本会議のインターネット中継を始めました。そんな中石丸市長就任後、議員の居眠りを発端に注目が集まり始めます。(その後議員は病気だったと釈明)
石丸市長はその後、公募の副市長案や議員定数半減案など議会の反対で否決されたものの全国的に話題となった政策を展開。
石丸伸二市長「居眠りをする、一般質問をしない、説明責任を果たさない。これこそ議会軽視の最たる例です。恥をしれ恥をしれ!という声も聞く」
反対・山本数博議員「独自の政治再建論をもって安芸高田市を実験台に使われるのはとても迷惑な話」
反対・先川和幸議員「まさに市民を議会を無視した暴挙と言わざるをえません」
議員と市長のやり取りは一気に注目を集め、13日の中継は6500人以上がライブ視聴するなど多くの関心を集めています。
一方で、議員や市長の発言を編集したいわゆる“切り抜き動画“も多く出回ることに。山本議員によりますとこの切り抜き動画のコメントに「殺人」などのワードを含む誹謗中傷もあり、警察に相談しているということです。
山本数博議員「議会中継を止める方法はないか考えている。次の12月(議会)には中継を一時中断、それか申し出た議員だけ中断するというような方法がとれないか議会内で協議していきたいと思います」
一方で石丸市長は「誹謗・中傷はどんな場でもあってもダメだ」としたうえで一般質問の取りやめについて…
石丸伸二市長「議員としての職責をきょうこの場でこの期に及んで放棄されたということに私は衝撃を受けました。どういうつもりで議員をやっているのかと(コメントの)度が過ぎているのであればそれを個別に対処するのが本来ですよね。大元から全部シャットダウンさせますというのはどう考えても正しい対応にならないと思います」
実際に県内の議会では録画などを含めてインターネット上で配信状況を調べてみました。
ほとんどの議会でYouTubeなどで録画配信しているんです。進んでいるところでは議員の名前を検索すると質問などがわかるようになっています。。
現在、神石高原町と世羅町の2つの議会では録画配信をしておらず、世羅町議会は生中継をケーブルテレビで、神石高原町議会では一般質問のみケーブルテレビで録画放送しています。
安芸太田町議会では今まで配信していなかったが、6月の委員会で予算が可決され9月定例会から配信を行うことが新たに決まった。
県議会によると議会のライブ配信と録画配信をする理由は「開かれた会議」を目指しているからということです。
吉弘 翔アナウンサー「誹謗中傷は絶対ダメ!ここの対処を優先するのですが、やはり議会で何が起きているのか、そこでの議論というのは広く多くの人に見ていただきながら考えていくというのが必要になってくると思います。今後もこの安芸高田市議会の様子というのは注目してみていきたいと思います」