恐竜形滑り台など8種類使用禁止 岡山・太陽の丘公園 安全面に不備

恐竜の形をした滑り台などが使用禁止となっている「太陽の丘公園」。奥は大型ローラー滑り台

 岡山県生涯学習センター(岡山市北区伊島町)内の「太陽の丘公園」で、長年県民に親しまれてきた恐竜形の滑り台など8種類の遊具が使用禁止になっていることが15日、分かった。岡山市の保育園で児童が遊具の隙間に首を挟まれて死亡した事故を受けた遊具の一斉点検で、安全面の不備が判明したのが理由。公園を管理する県教委は遊具を撤去した上で、新たに遊具を設置するかどうか検討する方針。

 使用禁止となっているのは園のシンボルの一つである恐竜形のほか、タコの形をした滑り台や大型ローラー滑り台、ソフトクリームを模した小屋など。大半は1960年代の設置で老朽化による傷み、子どもの頭部や指を挟み込む危険箇所が確認されたという。

 県教委は2021年10月に起きた岡山市での事故を受け、管理施設で唯一遊具を備える太陽の丘公園について対応を検討。今年5月、国土交通省の指針を踏まえた安全基準に照らし、園内の遊具16種類を点検した。遊具を巡っては岡山県も管理する県総合グラウンド(同いずみ町)と倉敷スポーツ公園(倉敷市中庄)で点検を行い、いずれも問題はなかったとしている。

 太陽の丘公園は敷地約1万平方メートル。岡山市街地を見晴らす岩場の山に設置された遊具が人気を集め、遠足の小学生や親子連れに長く親しまれてきた。年間の利用者は数万人に上る。

 15日に次男(3)と訪れた女性(43)=岡山市北区=は「最寄りの公園としてよく利用していただけに残念。遊具は子どもの体力づくりに役立つので、再び使えるようにしてほしい」と話した。

 県教委生涯学習課は「公園は長年県民に愛され、大勢に利用されている。専門家の意見を聞きながら、できる限り早く方針を決めたい」としている。

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