茨城県の大井川知事、再選2年 県民所得拡大へ注力 茨城新聞インタビュー

2期目の折り返しを迎え、本紙インタビューに答える大井川和彦知事=15日、県庁

茨城県の大井川和彦知事は15日、茨城新聞のインタビューに応じた。今月下旬、2期目の折り返しを迎える中、輸出拡大などグローバル展開、企業誘致、県産品のブランド化など実績を示す一方、さらなる成果の引き上げに意欲を示した。今後の県政運営では「1人当たりの県民所得の大幅な増加がゴールだ」と話し、県民の所得拡大に向けて注力する考えを示した。

大井川知事は2017年9月に就任後、21年9月に2期目をスタートさせた。この6年間の経済政策や観光誘客、海外展開などを振り返り、「矢継ぎ早に打ち出した政策は、成果が上がるよう軌道修正してきた」と話し、即時対応を強調した。新型コロナウイルス感染症や自然災害にも対処しつつ、各政策の成果について、「今後どう引き上げていくかが課題だ」と話した。

経済産業省が公表した22年の工場立地動向調査では、工場立地面積と県外企業立地件数がともに全国1位。県内企業を含めた全体の工場立地件数も全国2位で、いずれの項目も前年を上回った。

企業誘致について、大井川知事は「熱心に、大胆に進めてきた成果が出始めている」と手応えを示す。人口減少や気候変動、中国リスクなど将来的な懸念が増す中、雇用や産業など各分野で「活性化を促し、県全体の経済力を上げていく」と強調した。

農業産出額が4年連続で全国3位となる半面、農家1戸当たりの所得は「高くない」と指摘。県外産と差別化できていないとして、「茨城県産が欲しいと思ってもらえるブランド化が必要」と訴える。農産物の強化戦略を打ち出し、県オリジナル品種のナシ「恵水」やメロン「イバラキング」で一部高級品が1万円を超える高額も付くようになる中、「まだ道半ば。構造転換を促したい」と述べた。

県とJR東日本が10~12月に展開する「茨城デスティネーションキャンペーン(DC)」には、「茨城が新しい観光地として生まれ変わる契機にする」と意欲を見せる。市町村や観光地に対しては、魅力ある独自企画の創出を促すため支援する考えも示した。

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