自衛隊基地建設中の馬毛島沖・水深35m ジョーフィッシュの新種だった 体長3㎝、白い斑点が特徴 鹿児島大練習船採集のアゴアマダイ

西之表市馬毛島付近の海で見つかった新種のシラタマアゴアマダイ(鹿児島大学総合研究博物館提供)

 鹿児島県西之表市馬毛島の東側で昨年9月に採集された魚が新種だったことが15日、分かった。スキューバダイビングで人気の「ジョーフィッシュ」として知られるアゴアマダイの仲間。白い斑点の特徴から「シラタマアゴアマダイ」と名付けられた。鹿児島大学総合研究博物館などの研究チームが14日、オンライン版の国際誌で発表、新種認定された。

 鹿大の練習船「南星丸」で馬毛島周辺の海洋生物を調査した際、水深35メートルの海底で採集した。体長約3センチ。砂地に穴を掘って生息しているとみられ、沖縄・慶良間諸島でも見つかったという。アゴアマダイの仲間はこれまでに91種が確認されている。

 国立科学博物館との共同研究。発表した鹿大博物館の本村浩之館長は「馬毛島は長く無人島で、黒潮の通り道に近い。海の環境がよく、魚種が豊富なため、今後も新種が見つかる可能性は大いにある」と話した。

 馬毛島では今年1月に自衛隊基地整備が本格的に始まった。島東側の海域は仮設桟橋や港湾施設の建設のため、漁業制限区域が設けられている。

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