老舗旅館が12年ぶり営業再開 南紀白浜「万亭」、大正の風格残しつつ全面改装

全面改装して営業を再開した「南紀白浜 旅館万亭」(和歌山県白浜町で)

 改装工事などのために2011年から営業を休止していた和歌山県白浜町の旅館「南紀白浜 旅館万亭」が、12年ぶりに営業を再開した。

 同館は、老舗茶屋「一力茶屋」(京都市)の別荘として大正時代に建てられた。1953年に先代館主の故小竹林二氏が譲り受け、数々の旅館を手がけた名工・故平田雅哉氏の設計で改築し、旅館として開業した。

 旅館の設備が老朽化していたため、改装工事に取り掛かったところ、東日本大震災が発生したことなどから営業を休止。その後、大正時代の雰囲気が漂う建物の風格を残しつつ、全面改装して再開することにしたという。

 木造地上3階地下1階建て。敷地面積は502.47平方メートル、延べ床面積は1465.29平方メートル。露天風呂付きの離れを含め、客室を13室備えている。温泉は源泉掛け流し。白浜の街が一望できる高台にあり、窓からは名勝・円月島も見える。徒歩で白良浜まで5分、飲食店が集まる「銀座通り」まで2分の場所にある。

 同館の所有者は、阪和自動車道・岸和田サービスエリア上り線(大阪府岸和田市)を運営する泉南オートグリル(本社・岸和田市、小竹幸代表)。運営は、旅館やホテルの運営を手がける風屋グループ・ジャパンホテルズオペレーション(本社・奈良市、松尾政彦代表)。

 宿泊料金は、1部屋(2人)朝食付きで4万4千円(税込み)から。夕食は5500円(税込み)からで、電話で予約を受け付けている。素泊まりのプランもある。同館担当者は「受け継がれてきた歴史のある建物は、国内、海外を問わず、お客さまに気に入っていただけると思う」と話している。

 問い合わせは万亭(0739.43.5005)へ。

大正時代の雰囲気が漂う館内

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