地域課題解決へ学生ら親交深める 団体、大学の垣根越えイベント

バーベキューを囲んで親交を深める学生ら

 団体や大学の垣根を越えて学生が親交を深めるイベントが8月末、岡山市内で初めて開かれた。地域の課題解決を目指す学生の動きをより大きくしようと現役大学生が企画。開放感ある空間で一緒にバーベキューを楽しんだ学生らには協力の機運が芽生え、早くも新たな連携が生まれている。

 「おかやま学生交流BBQ」と銘打ち、岡山理科大3年小坂真之さん(21)が開いた。8月30日、会場の相生橋(同市中区古京町)下には、小坂さんが所属する同大の学生イベント企画団体「とり.OUS」や災害救援などを行うNPO法人「国際ボランティア学生協会(IVUSA)」といった6団体から18人が集まった。

 初対面で緊張気味だったが、まずはジュースで乾杯し「たくさん話したい」「人見知りなので声をかけて」などと自己紹介からスタート。会話が進むよう「文系、理系の強みとは」「将来やってみたいこと」といったテーマを決めてグループ討論し、次第に打ち解けると3時間ほど歓談した。

 多世代の対話の場づくりを展開するNPO法人だっぴ(岡山市)から参加した県立大1年夷柾勇さん(21)は「熱意を持って活動している人たちばかりなので中身の濃い会話ができた。団体間で声かけしやすくなった」と話した。

 その8日後の9月7日、赤磐市の中学校でだっぴが主催した授業に、とり.OUSのメンバーの姿があった。バーベキューをきっかけに早速実現した団体同士のコラボレーション。地域の大人と中学生が話し合うキャリア教育で、とり.OUSのメンバーが進行役を担当した。

 だっぴ職員の大森哉絵さん(32)は「学生たちは多様な活動を知り刺激になったはず。つながりを生かし、互いに協力し合えればいい」と期待する。

 バーベキューは今後も定期的に開催し、次回は来月上旬を予定する。

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 「おかやま学生交流BBQ」を企画した小坂さんに開催の動機や手応えを聞いた。

 所属する「とり.OUS」で企画、会計を担当。県内の大学生が商店街で屋台出店やステージ発表を展開する「まちなか大学祭」などを手がける中で、同世代の他の学生たちがどんな活動をしているのか知りたくなったのがきっかけだ。

 所属する団体や大学が違っても目的が同じなら、それぞれの強みを生かして協力すればより大きな力を発揮できるはず。気負わず交流できるよう、バーベキューという形で交流の場をつくることにした。

 大きな目標は地域の課題解決なので、地域おこしや社会貢献に取り組む団体や個人に呼びかけた。集まったメンバーは志が高い人が多く、積極的にコミュニケーションを取り、情報交換することができた。早くも団体間のイベント協力が形になったので、今後の展開が楽しみだ。

 参加者は他の団体や大学の学生と交流したことで視野が広がったと思う。バーベキューを継続開催して多くの団体が集う起点としての認知度を高め、若い力で岡山を活気づけたい。

小坂真之さん

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