維新・藤田幹事長 矢田稚子氏の首相補佐官起用に「野党分断、国民民主党の取り込みを邪推せざるを得ない」

日本維新の会の藤田文武幹事長(42)が15日、国会内の会見で、元国民民主党参院議員の矢田稚子(わかこ)氏(57)の首相補佐官起用に「やっぱりこれが〝ザ・自民党政治〟というか、ある種野党の分断の意図もあるのかもしれないし、国民民主党の取り込みというところは邪推せざるを得ないかなという風に思います」と語った。

藤田氏は、矢田氏と同じ大阪府寝屋川市で育った。「私自身は会合で顔を合わせるくらいであまり深く存じ上げないんですけども、周りの評判を聞いていると非常に有望な方だとお聞きしている」と評した。

異例ともいえる矢田氏の首相補佐官起用に「実力本位でそういう人事がなされるということについては、いいことだと思いますが、単純にそういう風にだけ受け取っておられる方は多分国民の皆さんにも、メディアの方にもいらっしゃらないんじゃないかな。電機連合の内部議員、内部候補として戦ってこられて、国民民主党の若手のエース級といいますが、そういう議員でありましたから」と話した。

2日の国民民主党代表選で、政策次第で与党にも協力する姿勢を見せた玉木雄一郎氏が再選。同党の連立政権入りが取り沙汰された。藤田氏は「連立に入ったり、そういうことを想起させるような人事ですよね。誰が見ても。私が変に邪推して勘ぐって、騒ぎ立てるまでもなく。閣内に入るということについてはなんかすごい動きをしてるのかなと誰もが思うじゃないですか。どういう展開になるかは見定めたいと思いますけれども」と思惑を指摘した。

維新と国民民主党の関係については「国民民主党と政策感が近くて、是々非々で、案件案件でご一緒してきたというところまででありますから、何か選挙で一緒にやろうという話もありませんし。我々は冷静に対峙していきたい。我々の自前の勢力を拡大するために、いろんな都道府県で訴えをしていくということに尽きる」とした。

同日、会見した国民民主党の榛葉(しんば)賀津也幹事長(56)は、矢田氏の首相補佐官起用に触れ「総理補佐官としてこの国の政策決定に携わることは、同じ仲間として大変うれしく思いました。労働組合出身の総理補佐官ということは多分ないこと。元の仲間としてエールを送りたい」と喜んだ。

榛葉氏は「どなたであってもいろんなパイプを駆使して、政策実現しようというのが我々。矢田さんもそのひとつになりうるのは当然だと思います」としたが、連立政権入りの布石になるかを問われ「それは全く関係ないね。一民間人の抜擢を、そういう政局で捉えられるというのは彼女にも申し訳ないし、送り出した会社にも失礼」と否定した。

(よろず~ニュース・杉田 康人)

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