渥美心、ヨシムラSERT Motulでの予選アタックと初仕事/2023EWC第4戦ボルドール24時間

 9月14・15日、2023EWC第4戦ボルドール24時間耐久ロードレースの予選が行われ、渥美心はヨシムラSERT Motulの第4ライダーとして1分53秒142を記録した。チャンピオン獲得経験のあるトップチームでの初仕事はどのようなものだったのだろうか。

 ポール・リカール・サーキットはSSTクラスで経験がある渥美は、ワンメイクのダンロップタイヤとストックの車両の感覚があったが、12日のプレテストでヨシムラの車両に慣れていった。

 14日の予選1回目では、チームが新品タイヤを用意。渥美は「走り出してすぐにフィーリングがいいなと感じて、セッティングもかなり進んでいたこと、タイヤのおかげもあると思いますが、うまくペースアップができました」と語った。

「計測2周目にベストを更新できて、そのままプッシュし続けましたが、なかなかクリアラップが取れなかったり、リズムを合わせきれなくて、1分54秒台前半が続いていました」

 その後、1度ピットに入り給油をして、タイヤは変更せずにコースイン。「一瞬落ち着けたこともあり、走りのリズムも思い通りに変えられて、あとはクリアラップもうまくとれました」と渥美。

 このセッションの最後には1分53秒142をマーク。約1秒のタイムアップを果たしたが、「自分でもタイムを見て驚きましたし、チームの人たちも喜んでくれました。最後に1周しか計測できないところで、セクター3だけペースが上げられて、1分53秒1が出たので、みんな驚いたと思います(笑)」という。

渥美心(ヨシムラSERT Motul)/2023EWCボルドール24時間

 週末の少ない時間でマシンとタイヤに慣れていった渥美は、翌日の予選2回目には決勝に見据えてマシンの確認も依頼され、第4ライダーとしての仕事をこなした。マップもタイヤも決勝用で走ったため、ベスト更新とはならなかったが、このセットアップでの最善を尽くして1分53秒675を記録した。

 その後はセッティングの問題のチェックを行い、新品タイヤを履いたために「ウォームアップさせるのが難しかった」など説明したが、このパッケージでのフィーリングをつかんでいく。「決勝を見据えたセットアップでうまく乗れたので、慣れればもう少しやれるだろうなと感じたので、そこはポジティブです。チームのためにしっかりと仕事をできたと思います」と語った。

 また、タイム更新には「ブレーキングを頑張りすぎていましたが、タイヤのグリップが良くてコーナリングを速くできるし、そうしたら荷重がかかって、コーナーの出口での加速も速くすることができるようになった感じです」と走らせ方も学んでいる。

 第4ライダーであるため、決勝は出場できず「見ることしかできませんが、決勝はいい走りができると思うので楽しみです」と話すが、次に繋がる走りを見せたことだろう。今後の予定や来季の参戦体制はわからないが、EWCのパドックのなかでも注目されているライダーになっていることに違いはない。

渥美心(ヨシムラSERT Motul)/2023EWCボルドール24時間
ピットウォークでサインする渥美心(ヨシムラSERT Motul)/2023EWCボルドール24時間

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