兵庫県川西市久代2の小規模保育施設「アップル保育園久代」で60代の女性園長が園児に不適切な保育を行ったとして、同市は15日、運営法人のKEGキャリア・アカデミー(和歌山市)に対し、児童福祉法などに基づき、改善を勧告した。
川西市教育委員会によると、園には1日時点で0~2歳の17人が入所。園長は少なくとも5~9月にかけ、特定の園児1人を「どうしてこんなことができないの」と大声で叱責して謝罪を強く求めたり、廊下に1人で数分間立たせたり、トイレの便座に10分ほど座らせて放置したりした。
8月31日、市教委に情報提供があり、発覚した。提供された音声データには大声で失敗を責めるような文言が残っていた。9月にも同様の情報提供があったという。市教委は調査チームを設置し、特別監査を行った。
園長は市教委に対し、一連の行為を認めつつ「しつけだった」と釈明。法人は虐待に当たると判断し、8日に園長を解任した。
同園では2020年11月~21年3月にも、この園長が職員に高圧的に接したり、園児に命令口調で話したりしているとの相談が市に寄せられていた。市教委は「不適切な指導かどうか、当時は確認できなかった。調査のあり方を検討していく」とした。今回、ほかに不適切な行為の情報は寄せられていないという。
法人は「被害に遭われた方におわび申し上げます。ほかの園児や保護者にも不安な思いをさせ、大変申し訳ない」とした。(山岸洋介)