【台風13号】溢水地点に大型土のう 浸水の茨城・日立市役所

日立市役所(奥)の脇を流れる数沢川と平沢川の合流点で大型土のうを並べる作業員=16日、同市助川町

台風13号に伴う大雨で浸水、停電した茨城県日立市助川町の市役所で16日、庁舎脇を流れる数沢川の溢水(いっすい)地点に大型土のうを並べる工事が行われた。再び河川が氾濫した場合に庁舎に水が流れ込むの防ぐのが目的で、本格的な対策が決まるまでの応急措置。

庁舎のすぐ脇を流れる市管理の数沢川は8日の大雨で氾濫。溢水地点は、同じく市が管理する平沢川との合流地点で、市役所の敷地下を通る地下排水溝に流れる手前に当たる。浸水被害は周辺の市街地にも広がった。

庁舎内には地下駐車場に下りるスロープから水が流れ込み、地下1階が約120センチ浸水。同階にあった非常用電源を含む電源設備が水に漬かって使えなくなり、停電は9日夕までほぼ丸1日続いた。

16日の工事では、川の庁舎側に当たる数沢川右岸と地下排水溝の入り口付近に、約1トンの土砂が入る大型土のうを設置。作業員がクレーンでつり上げた土のうを隙間なく約60袋並べた。川の氾濫で壊れた柵も撤去した。

浸水被害によって市庁舎では現在、雨水などを排出するためのポンプが稼働できない状態。これ以上地下に雨水が流れ込まないよう、雨の予報だった15日には職員約20人が庁舎を取り囲むように約900袋の土のうを並べた。

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