【MLB】オリオールズに待望の若手エース誕生 首位攻防3戦目でレイズに完勝しポストシーズンまでマジック1

写真:8回無失点と好投したグレイソン・ロドリゲス

9月16日(日本時間17日)、ボルチモアで行われているア・リーグ東地区首位攻防戦、3戦目はオリオールズがレイズを8-0で下した。

14日からの4連戦となっているこの首位攻防戦は、首位オリオールズを2ゲーム差のレイズが追いかける構図で始まった。初戦を僅差で落としたオリオールズは、2戦目も完敗しゲーム差なしに。オリオールズとしてはここで負ければ単独首位の座を明け渡すという大一番でチームを救ったのが若手右腕グレイソン・ロドリゲスだ。

23歳のロドリゲスは4月5日にメジャーデビューした新人投手だ。2018年ドラフト1巡目全体11位の高評価でオリオールズ入りし、今季開幕前にはMLBでも有数の投手有望株として知られていた。新人王の期待もかけられていたが、5月には大量失点を繰り返すなど不安定な投球が増え、一時はマイナー落ちも経験した。

しかし、3Aで支配的な投球を見せて7月に再度メジャー昇格すると、そこからは安定したパフォーマンスを披露。再昇格後は58回で防御率2.95、10試合中8試合で3失点以内に抑えるなど先発ローテーションを支えていた。

そうして迎えた今日のレイズ戦。負ければ2位に転落する試合で、先発したロドリゲスはキャリアハイの投球でレイズ打線を圧倒した。一度も三塁を踏ませることなく8回5安打無失点。8回を投げきったのはプロ入り後初めてのことだ。

オリオールズ打線もロドリゲスを大きく援護。レイズのエース級右腕タイラー・グラスノーを序盤から攻め立て、新人王有力候補のガナー・ヘンダーソンが2ランを放つなど2回までに4点を奪った。その後も追加点を重ねたオリオールズは8-0の完勝。

ロドリゲスが好投したことには大きな意味がある。この勝利でポストシーズン進出へのマジックが1となったオリオールズは、この試合前まで先発投手の防御率が4.41で全体16位だった。レギュラーシーズンではリーグ有数の強さを見せているオリオールズだが、短期決戦となるポストシーズンを戦っていく上で絶対的先発投手の不在は大きな課題となっている。

ロドリゲスの好調さは一過性のものではない。再昇格後は明らかに安定感が増し、最速100マイル(161キロ)を超える剛速球はそのままに制球面が改善されている。ついに待望のエースが誕生したと言ってもいいのではないだろうか。この若手右腕の活躍は、オリオールズがワールドシリーズを狙う上でのカギになりそうだ。

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