【MLB】 飛車角落ちのマーリンズが健闘 伏兵の活躍で番狂わせなるか

写真:クローザーとしての活躍光るマーリンズ・スコット

マイアミ・マーリンズが健闘している。9月6日以降の勝敗は6勝5敗と目を見張るものではない。しかし、9月6日にエースのサンディ・アルカンタラと今季35本塁打のホルヘ・ソレーアが同時にIL入り。そこからは、いわば“飛車角落ち”の状態で戦っていることを考えれば、プレーオフ争いに留まっているのは健闘というほかない。

現地16日のブレーブス戦では8回裏に一挙6得点で逆転勝ち。昨日から始まった地区首位ブレーブスとの3連戦の勝ち越しを手繰り寄せ、ワイルドカード圏内まであと0.5差に浮上した。

今日の試合の8回に本塁打を放ったジェイク・バーガー、ジャズ・チザム・ジュニアや、首位打者をひた走るルイス・アラエズなど、主砲ソレーアが抜けたあとも他の主軸打者たちは健在。徐々に昨年のサイ・ヤング賞の姿を取り戻していたアルカンタラがいなくても、ヘスス・ルザードやブラクストン・ギャレット、そして20歳のユーリー・ペレスなど、マーリンズにはまだまだ力ある投手が残っている。

屋台骨がグラついていないのも大きいが、近頃のマーリンズを支えているのはその周りを固める選手たちの貢献だ。

特にクローザーのタナー・スコットの支配力は特筆に値する。

今日のブレーブス戦でも8回表の満塁のピンチを切り抜け、裏の勝ち越しを呼び込んだスコットは、防御率2.13、総合指標bWARでは救援メジャートップの3.2を記録している。ジョシュ・ヘイダー(パドレス)やフェリックス・バティスタ(オリオールズ)の陰には隠れているが、隠れたメジャー最強クローザーと言ってもいいパフォーマンスを見せているのだ。

後半戦の防御率は1.00、さらに9月6日以降に限れば防御率は0.00で、5戦で1勝4セーブとほぼ全ての勝利に絡んでいる。

打線では、ショートのプラトーン起用に取り込まれたギャレット・ハンプソンの貢献が光る。

メジャー上位2%の俊足を誇るハンプソンは、これまでロッキーズでユーティリティとしてプレーしてきた。しかし、昨秋にノンテンダーFAとされ、今季からマーリンズとマイナー契約。マイナー契約からチャンスを掴むと、今季は何回かの昇降格を挟んだものの、8月下旬の再昇格以降は打率.333と大活躍を見せている。

カブス、レッズ、ダイヤモンドバックス、マーリンズ、ジャイアンツら5チームが絡むワイルドカード争いにおいて、マーリンズの残りスケジュールは比較的厳しい。さらにワイルドカードを争うチームとの直接対決もなく、差をつけられてしまえば逆転は難しい。

しかし、通算3回のプレーオフ進出はいずれもワイルドカードから。その内2回は世界一まで駆け上がっている伝統的なアンダードッグのマーリンズからは、今年も何か起こしてくれそうな雰囲気が漂っている。

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