高校生ビブリオバトル、初の青森県大会 優勝は「人間椅子」取り上げた鹿糠さん(ウルスラ)

書評バトル初の県大会で優勝した鹿糠さん(中)、2位の大町さん(右)、3位の奈良さん

 「推しの本」の魅力を紹介し合う「全国高校生ビブリオバトル県大会」が16日、青森市の青森中央学院大学図書館で開かれた。県大会は初開催で、県内7校から12人が参加。江戸川乱歩の「人間椅子」を取り上げた、八戸聖ウルスラ学院高2年の鹿糠青空(かぬか・そら)さん(16)が優勝した。鹿糠さんは来年1月、東京で開かれる全国決勝大会に出場する。

 ビブリオバトルは発表者(バトラー)がお薦めの本を1人5分でプレゼンテーションし、聴衆の投票で「一番読んでみたくなった本(チャンプ本)」を決める書評バトル。同大と青森中央短期大学が県大会を開催した。

 チャンプ本となった「人間椅子」は、椅子職人の男が椅子の中に潜んで盗みを働くうちに、そこに座る女性の感触に溺れていくスリラー小説。鹿糠さんは「身近な物に思いもしない恐怖があること、犯罪者の男と私たちの間には孤独という共通点があることに気づいてさらに怖くなる。皆さんが使ってきた椅子は本当にただの椅子だったのでしょうか」と結び、本の世界に聴衆を引き込んだ。

 2位はマカロニえんぴつはっとり歌詞集「ことばの種」の青森南高1年・大町はぐみさん(16)、3位は町田そのこ著「52ヘルツのクジラたち」の五所川原高1年・奈良栞奈(かんな)さん(15)だった。

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