“中島・蝉川世代”前田光史朗が2位 「悔しさ6割、うれしさ4割」の惜敗

惜敗した前田光史朗。新たな期待の若手が登場(撮影/今井暖)

◇国内男子◇ANAオープンゴルフトーナメント 最終日(17日)◇札幌GC輪厚コース(北海道)◇7066yd(パー72)◇曇り(観衆3128人)

5打差9位から出た前田光史朗が、7バーディ、1ボギー「66」の猛チャージで、通算17アンダー2位で終えた。谷原秀人と終盤まで一打を競る優勝争いを演じ、「悔しさ6割、ここまでやれたうれしさが4割です」と振り返った。

中島啓太、蝉川泰果と同学年の23歳は栃木県出身。日大4年時の昨年「関東学生」で4位に入った。同大会で優勝した蝉川によると「すごくうまくて、オールラウンダーなイメージ」の選手。「学生時代のプレーを見ていたら、上にくるだろうなと感じていた」と予感した通り、前田は昨年末のQT(予選会)初挑戦で11位に入り今季前半戦の出場権をつかんだ。

優勝争いでも「緊張はあまりしなかった」(撮影/今井暖)

今季12試合目で初めてのトップ10入り。初日「72」の56位から、2日目「65」、3日目の「68」により9位で最終日に入り、首位と5打差から追い上げた。前半で3バーディを奪って首位と1打差で後半に入ると、11番からの3連続バーディで通算18アンダー単独首位。13番はラフから135ydのセカンドショットを4mに乗せ、バーディパットを決めきりこぶしを握った。

スコアボードを意識的に視界から外してプレーに集中したが、周囲が騒がしくなって自分の位置にようやく気付いた。「あまり緊張もしていなかったんですけど、カメラさんがつき始めて“いい位置にいるんだな”って」。優勝争いが佳境を迎えるなか、16番(パー3)でピンチが訪れても冷静さは失わなかったという。

奥にピンが切られたパー3で、「奥は絶対ダメ」と打ったティショットが予想以上に手前についた。「のぼりもキツくて」と15m前後のバーディパットが寄らず、3パットでこの日最初のボギー。ここで谷原にトップに並ばれたが、「あれはしょうがない」とすぐに切り替えられた。

優勝に1打届かず 次戦はパナソニックオープン(撮影/今井暖)

首位タイで入った18番。6mのバーディパットはカップの一筋右を抜けて入らず、この時ばかりは悔しさでしゃがみこんだ。優勝には1打届かなかったが、「楽しかった、やり切ったなというのが、率直な感想です」と振り返った。

シーズン終盤の試合は出場人数が限られるため、現時点で決まっている試合は次週の「パナソニックオープン」(兵庫・小野東洋GC)。「ルーキーなので、優勝争いができるだけでも良い経験。今回の結果を受け止めて、しっかり次につなげたい」と意気込んだ。(北海道北広島市/谷口愛純)

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