驚異の「3割2分6厘」とは? 横浜DeNA、反撃の背景探る

 横浜DeNAが反撃の兆しを見せている。22日のヤクルト戦で快勝を収めて最大11もあった借金は4に減り、4月11日以来の最下位脱出に成功した。12球団トップの防御率3・13を誇る投手陣の活躍もさることながら、代打の成功率もチームを支えている。そこには指揮官の巧みなベンチワークがある。

 ここまでの47試合で計15選手が代打として起用され、95打数で31安打、3本塁打、16打点。通算打率は驚異の3割2分6厘をマークしている。

 過去にも代打がハイアベレージを残したシーズンはあるが、代打の切り札の一人だけが高打率を残して好成績を導き出したケースが多い。

 代打の通算打率が2割9分3厘だった2006年は、2度首位打者に輝いている鈴木尚典が50打数19安打、打率3割8分を記録。通算打率2割6分9厘だった14年も後藤が29打数11安打、打率3割7分9厘の好成績でけん引した。

 だが、今季は下園が言う「代打陣」が一丸になっている。21打数8安打で打率3割8分1厘をマークしている10年目の下園だけでなく、5年目の乙坂が12打数7安打、2年目の山下幸も15打数6安打。軒並み結果を出しているのは珍しい。

 ラミレス監督は代打の起用について「早めに出番を伝えるようにしている」と言う。

 例えば横浜スタジアムであった15日の阪神戦。指揮官は九回のイニングに入る前、ベンチの下園と乙坂に「無走者か一塁の場面では乙坂、走者が2人出れば下園。乙坂が出塁すれば、8番のところに下園を起用する」と伝えていた。

 その3−5の九回、先頭打者のロペスがソロアーチで1点差とすると、1死無走者の場面で代打に送られた乙坂が二塁打でチャンスメーク。下園は伝えられた通り8番高城に代わって同点の右前打を放ち、劣勢な試合を引き分けに持ち込んだ。

 乙坂、下園が捉えたのは2球目。積極的に好球を捉えていく自身の哲学も体現する代打陣に、ラミレス監督は「厳しい状況でも結果を残してくれている。彼らの一本はベンチの雰囲気も変えてくれる」とたたえている。◆力自慢集めイベント 交流戦の本拠地開幕カードとなるロッテ3連戦(6月3日から3日間・横浜)に来場する球団OBのグレン・ブラッグス氏のパワーにちなんだイベントを開催する。元4番打者の大砲は4日、腕相撲大会にゲスト参加。5日はボディービルの審査員として登場する。

 それぞれ当日に参加者を募り、4日は午前11時40分〜正午、5日は午前10時40分〜同55分まで球場外の「YYパーク」で受け付ける。詳細は球団ホームページで。

© 株式会社神奈川新聞社