長崎県北、大雨で被害 17日に西海で1時間82.5ミリ 複数箇所で土砂崩れなど

前線の影響で県北を中心に大雨に見舞われ、被害が相次いだ。佐世保市の市道は路面に亀裂が走り損壊。奥は崖崩れでふさがれている=17日午前11時28分、同市小佐々町黒石

 前線や湿った空気の影響で大気の状態が不安定となり、長崎県内は西海市で1時間に82.5ミリの猛烈な雨が降るなど各地で大雨に見舞われた。県北部を中心に土砂崩れや道路損壊が複数箇所で発生した。
 17日深夜から早朝にかけて、長崎市や佐世保市などで大雨・洪水警報、土砂警戒情報が出た。1時間最大雨量は、新上五島町で76.5ミリ、長崎市で62.5ミリ、壱岐市芦辺で54.5ミリなど。佐世保市で8804世帯に避難指示、西海市と北松佐々町で計8834世帯に高齢者等避難が出た。
 佐世保市小佐々町黒石の市道では、崖崩れと道路の亀裂を確認。付近の住宅約10戸で一時、水道が止まり、市は1戸の住民に避難を要請した。西海市西海町中浦南郷では、民家の裏山が高さ約2メートル、幅約10メートルにわたって崩れ、住民1人が避難。平戸市大島村では民家の裏山が崩れ、土砂で割れたガラスで住民が足に軽傷を負った。
 JR九州は、西九州新幹線や在来線長崎線、大村線を徐行運転し、一部ダイヤが遅れた。松浦鉄道(MR)は終日運転を見合わせ。オリエンタルエアブリッジ(ORC)は長崎-壱岐間の1往復2便を欠航した。
 同気象台によると、13日午後10時の降り始めから17日午後4時までの雨量は、平戸市で少なくとも629.5ミリ、松浦市で566.5ミリ。

民家の裏山が高さ約2メートル、幅約10メートルにわたって崩れた現場=17日午前10時58分、西海市西海町中浦南郷

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