【台風13号】茨城・県道日立山方線 土砂崩れ危険 今も 再開へ防護工検討

大雨に伴う土砂崩れの影響で、通行止めが続いている県道日立山方線=日立市宮田町

台風13号に伴う大雨による土砂崩れで、茨城県日立市中心部と県北内陸部を東西に結ぶ県道日立山方線は発生から10日となる18日、通行止めは解除されていない。道路上の土砂などの撤去作業は完了したものの、崩落箇所では今なお土砂崩れの危険性が残る。県は二次災害を防ぐため、大型土のうを設置するなど防護工の検討を進めている。

同線は、日立市役所に近い国道6号から峠を越え、市西部の中里地区や常陸太田市方面に通じる主要地方道。常磐自動車道日立中央インターチェンジと接続し、沿線には大規模な事業所も集積。通勤や通学、日常生活に欠かせない道路として機能していた。

8日の大雨で道路脇の山で大規模な土砂崩れが相次いで発生。道路は土砂や倒木に覆われ、通行止めとなり、東西が寸断された。

県高萩工事事務所によると、17日までに道路上の土砂や倒木などの撤去作業は終え、ルートは確保した。ただ、崩落現場は険しい地形で、「土砂崩れの規模も大きく、上から岩や土砂が落ちてくる危険性がまだある」という。

このため二次災害を防ぐ応急復旧の方法について、専門家を交えて対策を検討している。土砂崩れの現場では16日、斜面に沿って重さ約1トンの大型土のうを積む作業などが行われた。

土砂崩れが起きたのは、日立市街地から向かって本格的な上り坂が始まる周辺。別の崩落箇所ではのり面のコンクリートブロックが壊れた箇所もあり、この日も斜面の岩肌からは水がしみ出ていた。山の峰を走る全長約1キロの本山トンネル内も一面が濡れた状態だった。

通行止めの影響で、JR日立駅と中里地区を結ぶ路線バスは、海側で朝夕のみの折り返し運行が続く。市西部の市立中里小中学校では、児童生徒が乗る日立駅発の通学バスは、常磐道を使って大きく南への迂回(うかい)を余儀なくされるなど、市民生活に影響が出ている。

市内では市北部を東西に走る県道十王里美線も土砂崩れの影響で通行止めが続く。同市多賀地区と常陸太田市を結ぶ県道日立常陸太田線が復旧する中、日立山方線にも、市民から「早く復旧してほしい」との声が上がる。

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