「即時振込はどうやるの?」尋ねた70代女性は仮想通貨詐欺に遭う寸前… お手柄銀行員らに感謝状 神戸

投資をかたる架空請求詐欺の被害を食い止めたみなと銀行舞子支店の有川康美支店長(中央左)と営業課の近藤卯乃さん(同右)=垂水署

 投資やパソコンの修理費をかたった詐欺被害を阻止したとして、兵庫県警垂水署と同県警長田署は、みなと銀行舞子支店(神戸市 垂水区舞子台6)と、コンビニ店員の野宮眞輝さん(25)に感謝状を贈った。

 垂水署によると7月21日午前、70代女性が1人で来店。営業課の近藤卯乃さん(24)に「投資信託の確認がしたい」と話した。だが女性は「もう一つ」と切り出し、「即時振込はどうやるの」と尋ねたという。

 女性に指示をしているLINE(ライン)の内容から、あやしいと感じた近藤さん。副支店長や有川康美支店長と一緒に女性を説得しながら110番した。女性は、仮想通貨への投資をうたう詐欺に遭う寸前だった。

 入行2年目の近藤さんは、4月から営業課に異動したばかりで、「今回の経験をきっかけに、よりお客さまの立場になり仕事に打ち込みたい」と力を込める。

 また長田署によると7月29日夕、ファミリーマート柳屋長田丸山店(長田区丸山町2)に70代女性が来店。レジの野宮さんに「グーグルカードってこれでいいの?」と尋ねたという。

 野宮さんは「女性が自分の意志で購入しようとしていない」と直感。県警などが作った注意喚起用のボードを見せて「このような画面が出ていませんか」と聞き、被害を食い止めた。野宮さんは3カ月ほど前にも同様の被害を防ぎ、同署から感謝状を受けていたという。(千葉翔大)

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