夜の山疾走 限界に挑む 信越五岳トレイル 斑尾を皮切りに160キロ

一斉にスタートする100マイルの部の選手。花火が打ち上がり、闇夜を彩った(16日午後6時30分、斑尾高原レストランハイジ)

「信越五岳トレイルランニングレース2023~パタゴニアCUP~」(同実行委員会主催)が16日から18日にかけて、妙高山、斑尾山、黒姫山、戸隠山、飯縄山の「信越五岳」の高原、山麓部を駆け抜ける総延長100マイル(160キロ)のコースで繰り広げられている。選手は暑さや高低差と戦いながら駆け抜け、自己の限界に挑んでいる。

恒例の大会は13回目を数える。今年は100マイルの部に約600人、110キロの部に約800人、ペーサー(伴走者)に約300人、総勢約1700人がエントリー。110キロの部は約5分で定員に達する人気だった。

100マイルの部は16日午後6時30分、110キロの部は17日午前5時30分、斑尾高原レストランハイジをそれぞれスタート。ゴールの飯綱東高原・飯綱リゾートプラザオーロラに制限時間内の到着を目指して、懸命に歩を進めた。

17日は早朝から厳しい暑さとなり、選手の気力、体力を奪った。100マイルの部のほぼ中間点に位置するエイド・池の平スポーツ広場では正午前後に多くの選手が到着した。ボランティアスタッフが各種ドリンクやラーメンなどの食べ物を用意し拍手で出迎え、送り出した。

次のエイド・黒姫は13キロ先、第3関門となっており、午後2時までに通過しなければならない。さらに進むか、リタイアするかを選択する姿が見られた。

池の平でのリタイアを決断した兵庫県宝塚市の男性(62)は同大会2回目、100マイルは初挑戦だった。「暑さに負けた。途中リタイアで迷惑はかけられない。鍛え直してまた来ます」とやりきった笑顔で話した。黒姫では、数分間に合わずレース打ち止めになる場面が見られた。

表彰式は18日午前11時から赤倉体育センターで開かれる予定。

選手を拍手で出迎え、送り出すボランティアスタッフ(17日午後1時前、池の平スポーツ広場のエイド)
制限時間に間に合わなかった選手。仲間らが拍手で健闘をたたえた(17日午後2時過ぎ、黒姫の第3関門)

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