「ぎゃー」と大泣き、真っすぐな子に育って 西宮・越木岩神社で伝統の泣きずもう 全国から600人参加

大きな泣き声を上げて取組に臨む赤ちゃん=越木岩神社

 子どもの健康と成長を願う伝統行事「泣きずもう」が17日、兵庫県西宮市甑岩町の越木岩神社であった。生後数カ月から3歳までの小さな力士が鮮やかな化粧まわしを身に着けて土俵入り。元気いっぱいの泣き声が響き渡り、訪れた家族は温かく見守った。(浮田志保)

 五穀豊穣や地域の繁栄を願う「秋季例大祭」の一環。神聖な土俵で子どもの体を清め、泣き声で災いや厄を払いのけると伝えられ、同神社では土俵が完成した1979年から実施している。

 今年は宮城県や福岡県など全国から約600人が参加。赤ちゃんは報徳学園高(西宮市)の相撲部員に抱えられて土俵に上がった。行司が「はっけよい、のこった」と声を掛けると「ぎゃー」と大泣き。中には、取組前から手足を大きく動かして涙を見せる子もいた。保護者らはわが子をあやしながらカメラを構え、土俵近くは和やかな雰囲気に包まれた。

 奈良県橿原市から参加した生後8カ月の女児は取組中に大声を上げて泣き、他の子どもを圧倒。父親(33)は「思いっきり泣いてくれて良かった。健康にすくすく育ち、真っすぐな子になってほしい」と目を細めた。

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