ハミルトン3位「予選がよければ、違う結果になっていたはず」クラッシュのラッセルは傷心:メルセデス/F1第16戦

 2023年F1シンガポールGP決勝で、メルセデスのルイス・ハミルトンは3位、ジョージ・ラッセルはリタイア(16位完走扱い)という結果だった。

 2番グリッドのラッセルはスタート直後にシャルル・ルクレール(フェラーリ)に抜かれ、ファーストスティントは3番手を走行。セカンドスティント序盤に、タイヤ交換前のマックス・フェルスタッペン(レッドブル)を抜いて、2番手に上がった。トップのカルロス・サインツ(フェラーリ)のすぐ後ろを走り続けた後、レース終盤、バーチャル・セーフティカーが導入された際に、新たなチャンスを探るため、タイヤ交換を行った。ランド・ノリス(マクラーレン)の直後3番手に上がったラッセルは、ペースは勝るものの抜くことができないまま、残り1周というところで、ウォールに接触し、バリアにヒット。その場でレースを終えることになった。

 5番グリッドのハミルトンは、スタート直後、ノリスをかわし、ラッセルに並びかけたところでコースオフ、3番手でコースに復帰したが、ペナルティを避けるために、ラッセルとノリスの後ろに戻った。ルクレールの後退で4番手に上がり、終盤、ラッセルとともに2度目のタイヤ交換を行い、ラッセルのすぐ後ろでチャンスをうかがった。チームメイトがコースオフしたことで、ハミルトンはファイナルラップでノリスのすぐ後ろまで迫ったが、チャレンジする時間はなかった。

 ハミルトンはファステストラップも記録して16ポイントを獲得、ドライバーズランキングでフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)を抜いて3位に上がった。

2023年F1第16戦シンガポールGP ルイス・ハミルトン(メルセデス)

■ルイス・ハミルトン(メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム)
決勝=3位(62周/62周)
5番グリッド/タイヤ:ミディアム→ハード→ミディアム

 今週末は、一か八かの勝負をして、他チームとは異なるタイヤ戦略を採った。今日のレースは2回ストップが良いと感じていた。チームが素晴らしい仕事をしてくれたおかげで、上位に復帰することができた。

 スタート後の1コーナーの件で、ポジションをふたつ返さなければならなかったのは残念だ。でもその後も懸命にプッシュし続けた。

 今週末を通して、このマシンを100パーセント快適に感じることができなかった。それでも今日は幾分良くなった。昨日同じ感触を持てていたら、フロントロウをかけて戦うことができたと思う。それができていたら、今日のレースは全く違っていたよね。そうはいっても、表彰台に乗ることができてうれしいよ。

 ジョージはものすごく不運だった。前のドライバーたちをつかまえようとして、僕たちは必死にプッシュしていた。そのためにタイヤがとても熱くなってしまった。彼は週末を通して素晴らしいパフォーマンスを見せていた。この経験から必ず立ち直ることができるはずだ。

 次の日本を楽しみにしている。何ができるか見てみよう。

■ジョージ・ラッセル(メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム)
決勝=リタイア=16位完走扱い(61周/62周)
2番グリッド/タイヤ:ミディアム→ハード→ミディアム

 言葉を失っている。今日は優勝まであと半車身のところまで来ていたと思う。ランドを抜くことができれば、カルロスをオーバーテイクできたはずなんだ。でも残念ながら僕はそのチャンスを逃した。最終ラップ、1センチか2センチのミスをして、ウォールに接触してしまった。僕の週末全体に影を落とすようなミスだ。

 あのミスまでは、最高のレースウイークエンドを送っていた。マシンの感触は素晴らしく、チームは信じられないような仕事をしてくれていた。戦略も最高で、僕たちは大胆でアグレッシブに戦っていた。エキサイティングなレースだったのに、今ノーポイントでここにいるなんて、心が痛む。

 それでもポジティブな要素はあった。今夜も明日朝も、辛い気持ちで過ごすことになりそうだけど、すぐに気持ちを切り替えて、来週末の日本GPではより強くなって戻って来るよ。

2023年F1第16戦シンガポールGP ジョージ・ラッセルとルイス・ハミルトン(メルセデス)

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