水びたしのベッドに横たわる新垣結衣の姿も 映画「正欲」予告

2023年11月10日に劇場公開される、岸善幸監督、稲垣吾郎、新垣結衣出演による、朝井リョウの同名小説の映画化作「正欲」の、30秒予告が公開された。

映像は、「自分がどういう人間か、人に説明できなくて息ができなくなったことってありますか?」と、桐生夏月(新垣結衣)が寺井啓喜(稲垣吾郎)に問いかけるシーンから始まる。正義で世界を測る検事の啓喜の「社会の“バグ”は本当にいるの。悪魔みたいなやつがいるんだよ!」というセリフとともに、登場人物たちの意味深で印象的な表情が次々と映し出される。「あんたが想像もできないような人間はこの世界にたくさんいるんだよ」と語る諸橋大也(佐藤寛太)や、「誰にもバレないように、無事に死ぬために生きてるって感じ」とつぶやく佐々木佳道(磯村勇斗)の姿も見られる。

終わりには、水びたしのベッドに横たわる夏月とともにタイトルの「正欲」の文字が浮かび上がり、「生きるために必死だった道のりをありえないって簡単に片付けられたこと、ありますか?」という夏月の問いかけが映し出される。

あわせて公開されたポスタービジュアルは、何か遠くを静かに見つめる啓喜、無言で前後に並びバスに揺られる夏月と佳道の姿に、「観る前の自分には戻れない」のコピーが添えられたデザインとなっている。

また、本作の主題歌が、Vaundyの未発表楽曲である「呼吸のように」となることも発表された。Vaundyが映画主題歌を手掛けるのは、本作が初となる。

「正欲」は、家庭環境、性的指向、容姿といった、さまざまに異なった”選べない”背景を持つ人たちを同じ地平で描写しながら、人が生きていくための推進力になるのは何なのかというテーマをあぶり出していく作品。不登校の息子が世間から断絶されることを恐れる検事の啓喜。ひとつの秘密を抱え、自ら世間との断絶を望む寝具販売員の夏月。夏月の中学の同級生で、夏月と秘密を共有する佳道。心を誰にも開かずに日々を過ごす大学生・大也。自分の気持ちに戸惑いながらも心に従おうとまい進する、大也と同じ大学に通う八重子。無関係に見えたそれぞれの人生が、ある事件をきっかけに交差していく。

「あゝ、荒野」の岸善幸がメガホンを取り、稲垣吾郎が息子が不登校になった検事・寺井啓喜を、新垣結衣が特殊性癖を持つことを隠して生きる・桐生夏月を演じる。

【作品情報】
正欲
2023年11月10日(金)、TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー
配給:ビターズ・エンド
© 2021 朝井リョウ/新潮社 © 2023「正欲」製作委員会

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