
中古車販売大手ビッグモーター(東京)による自動車保険の保険金不正請求問題で、金融庁は19日、同社と損害保険ジャパンへの立ち入り検査を始めた。事故車両の修理時に故意に車を傷つけ、保険金の過大請求を繰り返していたビッグモーターと、不正を認識しながら車両修理をあっせんする取引を再開した損保ジャパンの癒着の実態解明を急ぐ。
損保ジャパンの親会社SOMPOホールディングス(HD)に対する責任追及も焦点となる。金融庁は、保険契約者の利益を軽視するような問題があったと認めれば、業務改善命令などの行政処分を出す。
同日午前、複数の検査官が損保ジャパン本社(東京都新宿区)とビッグモーター多摩店(東京都多摩市)にそれぞれ立ち入った。多摩店は保険代理店業務を統括している。今後は検査官が両社に常駐し、検査は数カ月に及ぶ可能性がある。
損保ジャパンの取締役を兼務しているSOMPOHDの桜田謙悟会長兼グループ最高経営責任者(CEO)にも聴取する。ガバナンス(企業統治)が機能不全に陥っていなかったかどうかを調べる。

