86歳の発明が商品化契約、妻の悩みをアイデアで解決

86歳の発明家をご紹介します。この度、メーカーと商品化の契約を結びました。86歳でも燃えさかる発明への情熱…発明の世界で躍動するシニアパワーを取材しました。

9月16日、新宿区にある発明学会で行われた公開調印式。大きな拍手で祝福されたのは、八王子市に住む守屋伯一さん86歳です。約4年前から改良を続けてきた、洗濯機に入れて一緒に洗濯するだけで生乾きの匂いを抑えるこの「クリーンボール」がメーカーに評価され、この度、商品化の契約を勝ち取りました。今回、守屋さんはどんなところで発明の着想を得たのか、聞いてみると…

守屋さん:「家内が洗濯していまして、雨続きで部屋干しした時に臭うというもんですから、じゃあ臭わないようにするにはどうしようかと思った時にひらめきました」

守屋さんは発明学会の勉強会で「銅には抗菌効果がある」という知識を得ると、その足で100円ショップに直行。購入したものを使って様々な試作品を作り始めました。思い立ったらすぐ動く、守屋さんの行動力は別の場面でも。今回、契約をしたメーカーの社長は…。

高野社長:「ビフォーアフターのテストの結果って、特に大手さんに売るのにこうしたエビデンスがあった方が説得力ありますので、売れない理由がないかなと思っていた」

自ら専門の調査機関に試作品を持ち込み、水の中の雑菌の変化を調べてもらい、試作品の効果の確認を怠りません。商品開発に対し衰えることのない情熱…守屋さんが発明を始めたのは、定年退職後、70歳を過ぎてから。今では、新商品を買ってきては自分ならどうするかと改良を考えるのが趣味になっているといいます。守屋さんの今後の目標とは…

守屋さん:「もう86歳ですよ、もう明日死ぬかもわからない。日常生活の中で困っていること、これは不便だなっていうところを改善しながら、楽しく余生を満喫したいと、そういう感じですから、別にこれでひと儲けしようとかいうことじゃないんですよ」

さらに今、発明学会では守屋さんの他にも、長年、会社や家庭のために尽くしてきて老後の新たな生きがいとして発明を始める高齢者が増えているといいます。

発明学会 松野さん:「自分が主人公になって、商品化開発で世の中の人のためになることができるというのが、発明の魅力だと思います」

豊富な人生経験を武器に、都内のシニア発明家から、今後もさらなるヒット商品が生まれるかもしれません。

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