「ライダーカップ」仕様 ホマとトーマスの愛国心たっぷりウェッジ

USAへの愛国心いっぱいに「ライダースカップ」に臨む ※写真は2021年「東京五輪」(撮影/和田慎太郎)

ゴルフギアは設計やテクノロジーが進化を遂げたのとともに表現方法も発達してきた。ウェッジの刻印はかつて、ロフトの表示といった実用的な目的で施されていたが、今ではカスタムの風合いを出すために用いられている。選手自身のスローガン、愛する者を讃える言葉、あるいはそのキャリアにおいて重要な鍵を握る瞬間へのオマージュなどが刻まれてきた。

PGAツアー6勝のリッキー・ファウラーは「僕らはおもしろいクラブの刻印を入れたり、ちょっとクレイジーなことをやったりすることもある。自分の性格だったり、コース外でどうありたいかを表す良い手段でもある」と語っている。

マックス・ホマは父になったとき、ウェッジに“Cam’s Dad(キャムの親父)”との刻印を施した。そして今、44度目の開催となる「ライダーカップ」デビューを2週間後に控えたホマに加え、同じく米国選抜のチームメートであるジャスティン・トーマスは、刻印の勝負において文字通りギアを一段上げた。

「フォーティネット選手権」の開催地であるカリフォルニア州ナパのシルバラードリゾートにて、ともにタイトリスト ボーケイデザインSM9ウェッジを使う両者のバッグに、愛国心旺盛な“Team USA”のカスタム刻印を施したウェッジが目撃された。

マックス・ホマのウェッジ(提供GolfWRX)

ホマは赤・白・青の三色で刻まれた“USA”の文字にこれまた同じ三色の星を配し、トーマスはその“USA”の文字の合間に彼のイニシャルである“JT”の二文字を刻んだ。

30歳のトーマスはこれが3度目の「ライダーカップ」出場となるが(2018年、21年に出場)、キャプテンズピック(主将推薦)での出場は今回が初めて。

米国選抜主将のザック・ジョンソンの決断について、トーマスは「ザックに召集されたとき、いろいろな感情が込み上げてきたけれど、まずは安堵(ど)して、胸の高鳴りがやってきた。とても感激したね」と話した。

「眠れない夜が何度もあって、ある時、こう思ったんだ。何が起こっても、その事実を受け入れよう。どうなるにせよ、自分はその結果を“良し”としよう。何が起ころうとも、自分は常にその結果を支持しよう、とね。こういう結果になったことについて、僕はとても興奮しているし、幸運だと思うし、満足している」

マックス・ホマのウェッジ(提供GolfWRX)

ホマは今回の「ライダーカップ」をルーキーとしてプレーする米国選抜4人の選手の1人である。隔年開催のビッグイベントへの出場について、「知っての通り、僕らは(欧州で)30年勝っていないから、大きなことを達成しようとしているし、みんな多少“けんか腰”で臨むことになるね。より大きな舞台という感じがするよ」と述べた。

この国際大会での経験について、トーマスは「これは違うもの。完全に違う感覚なんだ。自分自身のために戦うだけでなく、仲間を助けたいと思うようになるんだ。新人や、チーム内で不安を抱えている選手に対しても、同じような気持ちでいるね」と述べた。トーマスはチーム内で良き相談役としてベテランの存在感を示すことができると信じている。

(協力/ GolfWRX, PGATOUR.com)

© 株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン