「被災地の力に」ラグビーアマ世界大会出場へ 元ヤマハ池町さん

復興支援を縁に、岩手県チームの一員として世界大会に挑む池町信哉さん(右から2人目)=釜石鵜住居復興スタジアム

 「ラグビーのまち釜石」に導かれ、岩手県チームの一員として世界に挑む。元プロ選手で東京都の会社員池町信哉さん(35)は、23日からフランスで初開催されるワールドアマチュアフェスティバルに出場する。東日本大震災後に所属チームの復興支援で釜石市に通い、釜石鵜住居(うのすまい)復興スタジアムのオープン記念試合でもピッチに立った。「今度は釜石を背負って戦い、被災地の力に」と選手選考を突破。国内最高峰でプレーした経験を本県の若手に伝えながら、もう一つの「頂点」を目指す。

 初代王者を目指すチームに頼もしい助っ人だ。池町さんは2011年から19年までヤマハ発動機ジュビロ(現静岡ブルーレヴズ)で活躍したスクラムハーフ。プロ入り直後の11年6月、釜石シーウェイブス(SW)との強化試合で同市を初めて訪れた。

 兵庫県出身で、幼い頃に阪神大震災の体験もある。当時「ラグビーどころじゃないだろう」と戸惑ったが、釜石市の旧松倉グラウンドには市民ら約1500人が来場。「勇気をもらった」「来てくれてありがとう」と大漁旗で歓迎された光景を覚えている。

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