火災時の適切な対応 動画で紹介 井原地区消防組合、手話も導入

火災の適切な対応をまとめた動画を紹介する広井消防士長

 井原市と岡山県矢掛町をエリアとする井原地区消防組合(同市七日市町)は、火災時の適切な対応を学べる動画(46分50秒)を制作し、動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開している。手話や字幕を導入して分かりやすく解説している。

 同市内の手話サークルに通う広井裕臣消防士長が、市聴覚障害者協会の佐藤正士会長から耳が不自由な人が火災の予防や避難を学べる教材について相談を受けたのがきっかけ。動画制作の技術を持つ佐藤会長の協力を得て作った。

 広井消防士長の原案を基に佐藤会長がシナリオも担当。主人公の聴覚障害者に対して広井消防士長が「火災現場で急に戸を開けると危険」「身長より高い炎が上がると自力での消火は困難」などと手話で解説する。119番の手順やメールやウェブによる通報手段も紹介している。

 1950年に岡山市で起きた聾(ろう)学校寄宿舎火災に遭遇した3人が経験談を披露しているほか、天ぷら油が発火した際の対処や消火器の使い方を消防士らが実演する場面もある。

 同組合による動画は「救急隊の活動について」(2021年)に次ぎ2作目。同組合は「手話や字幕を使うことで誰にとっても分かりやすく仕上がった。大勢に見てもらいたい」としている。

© 株式会社山陽新聞社