明るく楽しくのチーム術 全国制覇の少年野球「広島サンズ」

創部8年目の少年軟式野球チームが、全国大会を初制覇しました。「広島サンズ」、そのチーム運営に迫りました。

8月に全国軟式野球クラブチーム選抜野球大会で日本一に輝いた、広島サンズ。チームを率いる 川本大輔 監督からは、ポジティブな言葉が次々と飛び出します。

広島サンズ 川本大輔 監督
「いいプレーが多いからです。怒るプレーより、ほめるプレーの方が子どもの頭に残ると思う。怒られる記憶より、ほめるプレーの方が記憶に残るので極力、いいプレーを探すようにしている」

グラウンドに集まる中学生の選手たちは、髪型も自由なら、練習も楽しそうに臨みます。自主性を重んじるチームにあって、選手たちが練習メニューをリクエストすることも少なくありません。

広島サンズ 丸谷佳太郎 選手
「バッティング練習を増やしたいとき、守備でもっと守れるようにしたいとき、みんなで監督にお願いします」

チームの中心でもある 平岡慶真 選手。ショートの守備も含め高いポテンシャルを誇りますが、一方で誰よりも泥くさくプレーします。みんなで勝つにはどうすればいいのか、心に染みているためです。

広島サンズ 平岡慶真 選手
「チームワークがよくて、仲がいいのが、広島サンズのいいところです」

遠投90メートルの丸谷捕手も自分の肩だけに頼りません。チーム全員の力をいかに引き出すかに心を砕くからです。選手たちが、自分たちで考えるからアプローチもさまざまで、目標設定もさまざまです。ここには、かつてジャイアンツでプロ野球選手だった 川本大輔 監督の人生経験が生きています。

川本大輔 監督
「目標をしっかり持つことが、プロ野球選手は上手。目標の設定の仕方を一緒に考えて、何日でもそれを塗りかえて、レベルをちょっとずつ げるようにやっています」

だから広島サンズの仲間たちは、心は1つでも夢や目標はさまざまです。

選手たち
― 夢は何ですか?
「プロ野球選手です」
「社長です」
「ラッパーです」

― では、ラップをお願いします。
「ヘイよー、広島サンズよー。すいませんでした」

ただ自由なわけではありません。自分で目標を持ち、考え、行動する。そのためのメソッドが、広島サンズの明るいグラウンドなのです。

保護者は
― 広島サンズのいいところは?
「新しい感じで、髪型も含めて自由で楽しんでやれるチーム。チームの雰囲気もよく、ミスしても前向きにやっている。家でも野球の話をしてくれるようになった。すごく明るく話してくれます」

広島サンズ 川本大輔 監督
「保護者も指導者も子どもも楽しく、エンジョイ・ベースボールじゃないですけど、しんどいこと、泥くさいことをやったうえで(楽しさを)感じられるように保護者も子どもも指導者もチーム一丸が特長のチームです」

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