【政界の断面】「小石河連合」が復活? 小泉氏らに次期総理望む声 派閥政治への反発か

2021年の自民党総裁選で連携した(左から)石破氏、河野氏、小泉氏=2021年9月17日、国会内

 岸田文雄首相(自民党総裁)が行った内閣改造と党役員人事への支持が伸び悩む中、日本経済新聞の世論調査「自民党総裁(次期総理)にふさわしい人」で無派閥の小泉進次郎元環境相(衆院11区)が1位となり、政界がざわついている。同率2位は石破茂元幹事長と河野太郎デジタル相(15区)。先の総裁選で岸田陣営に対抗した「小石河連合」がベスト3を占めることとなった背景には、派閥主導で進められた人事への世論の反発がありそうだ。

 内閣改造・党役員人事を受けた世論調査で、岸田内閣の支持率は共同通信が6ポイント増の39%だが、日経は42%、読売新聞は35%で改造前と横並びだ。来秋の総裁選に向け、岸田氏の再選戦略を練る主流派陣営は「反主流派の逆襲を呼びかねない調査結果」(官邸関係者)と警戒感を強めている。

 日経が内閣改造に合わせ13、14日に行った世論調査「自民党総裁にふさわしい人」で1位となった小泉氏は16%、石破氏と河野氏は15%でそろって2位。4位は8%の高市早苗経済安全保障担当相、5位は7%の菅義偉前首相(2区)で、上位5人を党内反主流とされる議員が占めた。

 首相就任後も自派閥を率いる岸田氏は6%で6位。以下は岸田派の林芳正前外相とやはり自派閥を率いる茂木敏充幹事長がそれぞれ4%、安倍(晋三元首相)派の萩生田光一政調会長と茂木派の小渕優子選挙対策委員長がそれぞれ3%で続き、主流派とされる議員は軒並み下位どまりだった。

 小泉進次郎氏の父・純一郎元首相の現役時代を知る自民の元議員は「純一郎さんは『自民党をぶっ壊す』と派閥政治を全面否定して解党的危機を乗り切った」と振り返り、「今や総理も幹事長も派閥を辞めないばかりかトップに居座ったまま役職に就いている。立ち位置に客観性が乏しいからリーダーとして支持されない」と断じた。今回、初入閣を果たした議員の側近は「国民に『派閥頼みは民意と逆行』との印象を抱かれて支持を得られないのであれば、内閣の先行きが心配になる」と表情を曇らす。

© 株式会社神奈川新聞社