アゼル、係争地で軍事作戦 8人死亡、ロが自制訴え

19日、アゼルバイジャンとアルメニアの係争地ナゴルノカラバフの主要都市ステパナケルトで、攻撃で被害を受けた住宅地(タス=共同)

 旧ソ連アゼルバイジャンの国防省は19日、隣国アルメニアとの係争地ナゴルノカラバフの2カ所で地雷が爆発し治安部隊職員らが死傷したと発表した。アルメニア側の仕業だとして「限定的な対テロ作戦」を開始したと明らかにした。ロイター通信はアゼルバイジャン当局者の話として6人が死亡したと伝えた。

 インタファクス通信によると、ナゴルノカラバフのアルメニア側当局者は、アゼルバイジャンからの砲撃で2人が死亡、11人が負傷したと述べた。軍事行動が続けば大規模な流血に発展する恐れがある。ロシア外務省のザハロワ情報局長は「情勢を憂慮している」と述べ、双方に自制を求めた。

 アゼルバイジャン国防省は「アルメニア軍の軍事インフラ破壊が目的」と強調。現地のアルメニア系住民に対し安全な避難経路を確保すると表明した。

 アルメニアのパシニャン首相は同日、緊急に安全保障会議を招集。同国外務省はアゼルバイジャンがナゴルノカラバフへの大規模攻撃を開始したと訴え、現地に平和維持部隊を派遣するロシアや、国連安全保障理事会に軍事行動をやめさせるよう求めた。

19日、アゼルバイジャンとアルメニアの係争地ナゴルノカラバフの主要都市ステパナケルト近郊で上がる煙(タス=共同)

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