<レスリング>奥野春菜(自衛隊)が優勝、乙黒拓斗(自衛隊)は負傷棄権…2023年世界選手権・第4日(1)

 

 【ベオグラード(セルビア)】2023年世界選手権第4日は9月19日、前日開始の男子フリースタイルと女子2階級ずつの敗者復活戦とファイナルが行われ、決勝に進んだ女子55kg級の奥野春菜(自衛隊)が金メダルを獲得した。敗者復活戦に回った男子フリースタイル65kg級の乙黒拓斗(自衛隊)は、負傷のため棄権した。

 2017年に55kg級で、翌2018年に53kg級で優勝している奥野は、決勝で2019年55kg級世界チャンピオンのジャッカラ・ウィンチェスター(米国)と対戦。第1ピリオドで4-0とリード。第2ピリオドに場外ポイントを許したが、4-2で振り切った。2018年の世界一のあと、ジュニア(現U20)で1度、U23で2度の優勝を経て、シニアの世界一へ返り咲いた。

 男子フリースタイルは全日程を終了。日本は「銀1・銅1」を獲得し、57kg級と74kg級でパリ・オリンピックの出場枠を獲得。日本協会の定めた規定で、57kg級の樋口黎(ミキハウス)と74kg級の高谷大地(自衛隊)が代表に内定。他の4階級は、来春のアジア予選と世界最終予選での出場枠獲得を目指す。

 国別対抗得点は61点で6位。2階級を制して3位だった昨年に及ばなかった。優勝は3階級優勝で148点をマークした米国で、2年連続優勝。2位はイランが110点で入り、3位は80点のジョージア。

 各選手の成績は下記の通り。


 ■乙黒拓斗の負傷棄権について湯元進一コーチ(自衛隊)「ドクターの判断のもと、乙黒本人とも相談をして、昨夜の9時か10時まで悩んだ末に棄権を決めました。けがの状況ついては、まだ画像診断もできていないので何とも言えません。ただ、動けない以上は減量もできない。そんな状況で、敗者復活戦で強豪選手たちに勝てるかどうかということを考えたら、そんなに甘くはない。

 乙黒は『日本代表で来ている以上、悔しい』と言っていました。本人には出る意思があったけれど、最後は私たち指導陣が判断させていただきました。乙黒は『けがを治して、また気持ちを作って、全日本選手権に臨みます』と言っていました。その言葉を聞けたので、(コーチである)私としては一安心です」


▲決勝でジャッカラ・ウィンチェスター(米国)を破り、世界一に返り咲いた奥野春菜


女子

 【55kg級】奥野春菜(自衛隊)   優勝=19選手出場《トーナメント表》
決 勝  ○[4-2]Jacarra Gwenisha Winchester(米国)

《以下、18日に実施》
準決勝  ○[6-0]Mariana Dragutan(モルドバ)
準々決勝 ○[5-2]Karla Lorena Godinez Gonzalez(カナダ)
2回戦  ○[9-2]Otgontuya Chinbold(モンゴル)
1回戦  ○[8-2]Aryna Martynava(AIN=ベラルーシ)


男子フリースタイル

 【65kg級】乙黒拓斗(自衛隊)   45選手出場《トーナメント表》
敗復戦 ●[不戦敗=計量棄権]Adil Ospanov(カザフスタン)

《以下、18日に実施》
3回戦 ●[フォール、3:42=1-6]Ismail Musukaev(ハンガリー)
2回戦 ○[テクニカルスペリオリティ、2:14=10-0]Erik Arushanian(ウクライナ
1回戦 ○[9-2]Islam Dudaev(アルバニア)

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 《国別対抗得点》
[1]米国 148点、[2]イラン 110点、[3]ジョージア 80点、[4]カザフスタン 74点、[5]アゼルバイジャン 66点、[6]日本 61点、[7]アルメニア 49点、[8]トルコ 42点

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