サポーター暴徒化で来季の天皇杯参加資格剥奪の浦和、役員が報酬を自主返納…新たな処分基準など再発防止策を策定

[写真:©︎CWS Brains, LTD.]

浦和レッズは19日、来シーズンの天皇杯出場資格剥奪処分を受けて声明を発表した。

日本サッカー協会(JFA)は19日、浦和に対し、2024年度の天皇杯の参加資格の剥奪とけん責処分を発表した。

これは今シーズンの天皇杯ラウンド16の名古屋グランパス戦の試合後、浦和の一部サポーターが暴徒化。ピッチに侵入した他、暴力行為や威嚇行為、破壊行為などを行ったことに対する処分となった。

前代未聞の暴挙であり、多くの批判を受けた他、同じ浦和のファン・サポーターからも厳しい声が寄せられており、クラブの対応に関しても批判的な声がほとんどという事態に。当該者の入場禁止処分に加え、クラブへも重い処分が下ることとなった。

JFAの処分を受けて浦和は声明を発表。再発防止施策を新たに策定していくとした。

「弊クラブといたしましては、本処分は勿論のこと、本事案発生の前後を問わずお寄せいただいた様々な厳しいご意見も厳粛に受け止め、下記再発防止施策を通じ、同様の事案を二度と発生させないよう、強い覚悟で取り組んでまいります」

「特に、本事案発生直後より着手してまいりました新たな処分基準の策定につきましては、違反行為への事後対応の見直しのみならず、抑止力という観点で再発防止に寄与すると考えており、最重要課題と認識いたしております」

「なお策定過程においては、客観性、公平性、継続実現性の担保や法的根拠など様々な角度から検証し、外部有識者の知見もお借りしながら取り組んでまいります」

また、処分決定を受け、代表取締役社長は役員報酬の15%を、取締役は同報酬の10%を、それぞれ3か月間自主返納。本事案に関する社内処分についても、社内規定に従って適正に行うという。

具体的な再発防止施策には、違反行為に対する処分の基準の策定や、処分に対するプロセスの見直し、また第三者委員会の立ち上げなどを掲げている。

■再発防止施策

1.違反行為に対する新たな処分基準の策定

処分の厳罰化を始めとした、違反行為に対する新たな処分基準を2023年10月までに策定いたします。なお万が一、策定完了以前に違反行為が発生した場合につきましては、現基準に基づく処分を暫定的に課し、策定完了後、新基準に基づく処分を課してまいります。

2.処分および処分解除決定の運用プロセスの見直し

発生した違反事案の内容に応じ、処分および処分解除決定の運用プロセスとして、クラブ内のコンプライアンス委員会(新設)および社外有識者による検討プロセスを追加いたします。新たな処分基準と同様、2023年10月までにコンプライアンス委員会構成メンバーおよび外部有識者の選定を行います。

3.ファン・サポーターのみなさまや外部アドバイザーからなる第三者委員会の立ち上げ

クラブスタッフが自らを省み、客観性と主体性を伴った提言をいただく場として第三者委員会を立ち上げます。クラブの変化すべき点や変化すべきでない点、新たに着手すべき点など、テーマに沿った議論を中期的に幅広く行える手段を講じ、今後のクラブ運営に役立てさせていただきます。

4.違反行為者への適時適切且つ毅然とした対応(即時退場を含む)

違反行為が発生した場合は勿論のこと、その予兆を察知した時点で今まで以上に毅然とした態度とスピード感をもって対応していけますよう、現場対応にあたるスタッフへの権限移譲も含めた対応体制の見直しを既に開始しております。

5.「スタジアムでの禁止事項等観戦ルール」の周知徹底

スポーツを通じた幸せや平和の実現を目指し、提携する国連の友アジア-パシフィックとともに推進している国連プログラム「SPORTS FOR PEACE!プロジェクト」への取り組みを強化してまいります。重点禁止6項目(差別的発言・行為、暴力行為、ピッチ等への物の投げ込み、器物損壊、立ち入り禁止エリアへの侵入、指定エリア以外での喫煙)の遵守を中心とした相互理解の醸成を改めて行うべく、オフィシャルサイト、SNS、オーロラビジョン、その他ファン・サポーターのみなさまとのコミュニケーションの場等での啓発活動を強化し、安全・快適で熱気ある満員のスタジアムの実現を目指してまいります。

6.ファン・サポーターのみなさまとのコミュニケーションの再構築

地域スポーツ文化の発展と、強くて魅力あるチーム作りに全力で取り組んでいくことを改めて宣誓いたします。またこれらの実現のため、シーズンチケットホルダー、応援リーディングチーム、REX CLUB会員など、様々なファン・サポーターのみなさまとの対話を強化し、コミュニケーションを通じて触れるご意見から自らを多面的に捉え、多くの方々に応援していただけるクラブ作りに努めてまいります。なお具体的なコミュニケーション手段、実施頻度につきましては、網羅性、継続実現性を担保できる方法を検討してまいります

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