杉田議員の投稿、人権侵犯と認定 アイヌ民族を侮辱、札幌法務局

自民党の杉田水脈衆院議員

 自民党の杉田水脈衆院議員がブログでアイヌ民族への侮辱的な投稿をしていた問題で、札幌法務局が人権侵犯の事実があったと認定し、杉田氏にアイヌ文化を学び、今後発言に注意するよう「啓発」をしたことが20日、救済を申し立てたアイヌ当事者の多原良子さんへの取材で分かった。

 多原さんによると、認定対象は2016年にスイスで開かれた国連女性差別撤廃委員会の参加者について「チマ・チョゴリやアイヌの民族衣装のコスプレおばさんまで登場」「同じ空気を吸っているだけでも気分が悪くなる」と書き込んだブログやツイッター(現X)の投稿など計3件。

 委員会に参加した多原さんが今年3月、人権救済を申し立てていた。認定は7日付。多原さんは「投稿は差別であり、公人として許されない。一方で法務省が人権侵害を認めたことは大きな一歩だ」と話した。

 昨年11月の参院予算委でも取り上げられ、問題視された。杉田事務所は認定されたことを認めた上で「9月14日に法務省職員が事務所に来て本人が対応した。コメントを出す予定はない」としている。

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