中国、邦人男性を刑事拘留 スパイ容疑、近く逮捕判断か

中国国旗

 【北京共同】中国北京市で3月にアステラス製薬の日本人男性社員がスパイ容疑で拘束された事件で、中国当局が男性を刑事拘留したことが20日分かった。中国政府が今月中旬に入って日本側に伝えた。中国当局は正式に逮捕するかどうかを近く判断するとみられる。日中関係筋が明らかにした。

 日本政府は男性の早期解放を求めているが、中国側は応じていない。東京電力福島第1原発処理水の海洋放出を巡り日中関係が悪化する中、男性の拘束長期化が懸念される事態となり、日中関係の安定化はさらに遠のきそうだ。

 日本政府関係者によると、北京の日本大使館員が最近、男性と対面で領事面会し、健康状態に問題はないと確認していた。男性の家族との連絡をはじめ必要な支援を行っている。

 中国当局は国内法に基づき、刑事拘留から37日以内に正式逮捕するかどうか決める見通し。

 男性は帰国直前に「反スパイ法と刑法に違反した」として国家安全当局に拘束され、北京市内の収容施設で監視下に置かれた。

 中国政府は男性の具体的な容疑内容を明らかにしていない。

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