NTT Comなど6者、ドローン空撮×AI画像認識を活用しピンポイント除草する実証実験を開始

同実証実験は、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(以下:農研機構)が公募した「戦略的スマート農業技術の実証・実装」において選定され、農事組合法人 清和農場および共同実証機関であるホクレン農業協同組合連合会(以下:ホクレン)、株式会社ビコンジャパン、ホクサン株式会社、釧路丹頂農業協同組合(以下:JAくしろ丹頂)とともに取り組む。

背景

牛の飼料となる牧草の生産において、雑草は牧草の生育を阻害するだけでなく、乳牛が誤って口にすることにより搾乳量の低下につながることから、大きな課題となっているという。

この課題に対し、NTTコミュニケーションズ(以下:NTT Com)はこれまでにもドローン空撮画像およびAI画像認識による雑草検知などに取り組み、高い精度で雑草を検知することに成功している。

一方で、検知した雑草への対策においては、広大な牧草地全体への農薬散布や人手によるピンポイント散布など対処方法が限られており、農薬のコストや散布する稼働の面から対策が難航している。

このため、今回、検知した雑草に対し、セクションコントロールスプレーヤーや農薬散布ドローン、小型農薬散布ロボットといった最新機器を活用し、雑草が繁茂しているエリアにピンポイントで自動農薬散布を行う技術の確立に向け、6者は同実証実験に取り組むとしている。

雑草にピンポイントで自動農薬散布が可能となることで、除草にかかる農薬コストや散布稼働の大幅な削減が期待できるという。

実施内容

概要

同実証実験では、ドローンの自動飛行による牧草地全体の自動撮影および撮影画像に対するAI画像認識の適用により1株単位での雑草検出と位置の特定を行い、ピンポイントでの農薬自動散布により牧草の収量・栄養価の低下を防ぐ部分的除草に取り組む。

具体的には、NTT Comが開発・提供するドローンの自動飛行・撮影機能、クラウド上でAIによる画像認識を行う画像認識技術を活用し、雑草の検知を行う。

検知した雑草に対し、セクションコントロールスプレーヤーや農薬散布ドローン、小型農薬散布ロボットといった最新機器を活用し、農薬のピンポイント自動散布に取り組む。これにより、これまで人手により感覚的に把握をしていた雑草繁茂状況を正確に把握するだけでなく自動的記録を行うことができ、全面的な農薬散布を行うことで対処を行っていた駆除を、必要な場所(雑草検出位置)だけに必要な量の農薬散布を行うことが可能となる。

内容

  • ドローン空撮画像およびAI画像認識技術を用いた牧草地の雑草検出・位置特定実験
  • 部分散布可能な作業機械を用いた特定エリアに対する自動農薬散布による除草実験

同実証実験では、1、2を組み合わせて適用することで、牧草地の雑草に対して低コストで作業時間が短い部分的な対処を行う方法を確立するとともに、その効果の検証を行う。

実証実験実施場所

清和農場(住所:北海道阿寒郡鶴居村字雪裡原野北二十一線72)

各者の役割

今後について

同本実証実験を通じて得られた知見をもとに、早期のサービス提供を目指すという。また、デジタル技術の活用による農業DXを実現することで、人手不足や収益向上をはじめ、一次産業におけるさまざまな課題の解決に取り組むとしている。

▶︎NTTコミュニケーションズ

© 株式会社プロニュース