剣道夫婦、全国へ 小松の岩脇さん、県勢初 沖縄で全日本東西対抗

夫婦そろって剣道の全国大会に出場する岩脇司さん(右)と律子さん=小松市武道館

 小松市の「剣道夫婦」が24日、沖縄県で開催される全日本東西対抗剣道大会にそろって出場する。同市芦城中校長の岩脇司さん(56)と矢田野小教諭の律子さん(57)で、司さんは教士八段、律子さんは同七段と、いずれも男女最高段位の腕前だ。同大会に夫婦で挑むのは県勢で初めて。ともに教員として働き、長年一緒に稽古を重ねてきた「おしどり夫婦」としても知られる2人は、大舞台を前に静かに闘志を燃やしている。

  ●県連盟・末平さん監督

 大会では、全国から選抜された選手が東軍と西軍に分かれ、男女別に団体戦を行う。司さんいわく「剣道界のオールスター戦」と位置付けられ、2人は東軍として戦いに臨む。司さんは21年ぶり2度目、律子さんは初出場となる。石川関係では、県剣道連盟の末平佑二相談役(75)=範士八段=が東軍男女の監督を務める。

 律子さんは石川県勢として初めて女子の大将を務めることになり、「ライブ配信で観戦するつもりだったのに自分が出るなんて、びっくり」と驚いた様子。大将の重責はあるが、「平常心で戦いたい」と表情を引き締めた。

 司さんは「2人そろって出場できてうれしい。仕事のため十分な練習時間を確保できておらず焦りはあるが、できるかぎりの準備をしたい」と語った。

 岩脇さん夫妻は結婚して丸30年になる。男女の区別なく長く続けられる競技として一緒に剣道をたしなみ、毎週金曜と日曜の2人稽古はほとんど欠かしたことがない。司さんは律子さんを「積極的に技を出していく攻撃的なタイプ」とし、律子さんは司さんの剣道を「正々堂々と美しい」と評価。互いに認め合い、腕を磨いてきた。

 岩脇さん夫妻は、これまで指導を受けてきた末平さんが監督を務めることに触れ、「しっかり力を発揮して恩返ししたい」と意気込んだ。

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