元教授藤井さん 25年ぶり演奏会 倉敷で23日「心和むものに」

リハーサルに臨む藤井さん。「心が和む演奏を届けたい」と語る=14日、マービーふれあいセンター

 元就実大・短大教授で、学生のピアノ指導に長く携わった藤井貞子さん(82)=岡山市北区=が23日、マービーふれあいセンター(倉敷市真備町箭田)のロビーコンサートに出演する。キャリア70年を超えるベテラン奏者は、退任後の今も高齢者施設でボランティア演奏を続ける。コンサートは25年ぶりといい「心が和む演奏を届けたい」と練習に励んでいる。

 幼少の頃、音楽教師だった母親の影響でピアノを始めた。広島大教育学部音楽科を卒業後、就実大・短大で教壇に立ち、教職を目指す学生を指導。広島大と岡山県立短大(現・岡山県立大)でも非常勤講師を務め、多くの教え子を育てた。

 「培ったスキルを社会のために生かしたい」と、2012年の退職後も笠岡市内の特別養護老人ホームで毎月、ボランティアとして演奏。「心から喜んでくれ、大きなやりがいを感じる」という。

 今回のコンサートは、人々が行き交うロビーに置かれたグランドピアノを演奏する。これまでたびたび開いてきたホールのコンサートとは違った魅力に引かれて出演を申し込んだといい「通りがかりの人も一緒になって楽しめる演奏会は初めてで、楽しみ」と話す。

 14日は会場でリハーサルに臨んだ。本番で披露する予定のショパン「黒鍵のエチュード」「アンダンテスピアナートと華麗なる大ポロネーズ」といった曲を奏で、鍵盤の感触や音の響きを確かめた。

 「ピアノは生活の一部。これからも弾き続けたい」と藤井さん。コンサートは、岡山市民文化ホール(同市中区小橋町)でソロリサイタルを行った1998年以来で「当時の気持ちを思い出して臨みたい」と意気込む。

 23日は正午~午後0時40分。無料。問い合わせはマービーふれあいセンター(086―698―9111)。

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