コロナワクチン秋接種は打つべき?専門家に聞いてみた “XBB.1.5”に対応も主流は新種「エリス」に

秋接種ワクチンはXBB.1.5対応だが今主流は…【大石邦彦解説】

9月20日にスタートした秋接種は、
【期間】9月20日~来年の3月31日・無料
【対象】生後6か月以上のすべての人
【条件】前回接種から3か月以上空ける。今回が初回の接種でもOK
【種類】改良したファイザー社製・モデルナ社製
【効果】オミクロン株の一種「XBB.1.5」系統に対応

(夏目みな美キャスター)
20日に始まった秋接種は無料です。これはXBB.1.5系統に対応したワクチンということなんですが、今は変異株EG.5、「エリス」と呼ばれているものが非常に増えてきているということなんですよね。効果はどうなんでしょうか?

(大石邦彦アンカーマン)
この「EG.5に効果あるの?」ということを専門家に聞いてみました。

三重病院の菅秀副院長は、中和抗体について詳しく調べている方なんですけども、このEG5についても「中和抗体価が高いというデータも一部にある」ということです。

中和抗体価というのは、感染予防効果があるとされるものなんですが「重症化予防効果は一定程度期待できる」と話しています。

名古屋大学の小島勢二名誉教授にも聞きました。「あくまでもこれは、XBB対応なので、EG.5への効果は期待できないだろう」ということです。また「春に接種しても第9波になったことを考えると、流行は、今回接種したとしても止められないのではないか」と小島教授は話しています。

国は「感染予防効果ではなく重症化予防効果のために接種を進めてください」としています。

新型コロナ感染の現状は…

(柳沢彩美キャスター)
インフルエンザも流行している中で、新型コロナの感染者数というのは、今、どのぐらいいるのか。愛知県内の定点医療機関からの報告数をグラフにしました。

5月に5類に移行しました。その後から徐々に増加し、お盆過ぎぐらいに25人という数字を超えてきました。最新の数字は9月4日から10日の1週間で、定点観測している医療機関からの報告の総数が4648人。これを1医療機関当たりにしますと、23.84人となります。

東海3県を見てみましょう、岐阜が24.24、三重が18.55と、3県いずれも高い水準です。

今回郵送されたハガキは「接種券」ではない

(夏目みな美キャスター)
名古屋市の場合ですが、こういったお知らせが既に届いている方がいらっしゃいます。秋接種に関するお知らせというハガキなんですが、「これは接種券ではありません」と書いてあります。

(大石邦彦アンカーマン)
これは、いわゆるワクチン接種を「これから始めますよ」という案内ハガキです。名古屋市では、小さなお子さんには送っていたんですけども、大人に送るのは今回初めてです。

なぜこれを送るのかということですが、送られた方は接種の内容を確認し、「接種したい」と思った人は申請する。そうすると接種券が届くという、2段階を踏むシステムなんです。やはりいきなり接種券が届きますと、接種しないといけないんじゃないかと機械的に思い込む方もいるので、意思確認してもらう段階を設けた。つまり、ワクチン接種に関して、非常に丁寧なプロセスを踏んでいるということが言えると思います。

案内ハガキを見ると、
「接種により期待できる効果、発症予防効果などと、副反応、長期的な副反応が疑われる症状を含むリスクを考えて接種を受けるかどうかを選択してください」と書いてありました。

ワクチン接種は、あくまでもうこれ任意ですから、打つか打たないか決めるのはあなたです。ベネフィット(利点)と、そしてリスク、これを両てんびんにかけて慎重に判断していただければと思います。

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