水森かおりが“歌”で旅するアルバム『歌謡紀行22~日向岬』をリリース 「アルバムならではの遊び心のある楽曲を歌わせていただいています」

ご当地ソングの女王・水森かおりが、2023年9月20日にアルバム『歌謡紀行22~日向岬~』をリリースする。“歌”で旅するアルバムをコンセプトに第22弾まで重ねた本作には、最新シングル『日向岬』をはじめとするヒットシングル8曲に加え、アルバムのために書き下ろしされたオリジナル6曲の全14曲が収録。インタビューではアルバムのオリジナル曲を中心に、8月31日に50歳の誕生日を迎えたこと、シングル20作連続初登場トップ10入り、20年連続紅白出場といった記録を更新し続けることへの思いを聞いた。


自分のやりたいことを改めて感じた日向での夏祭り

──本作で第22弾となる『歌謡紀行』ですが、今では水森さんのライフワークとなっているシリーズではないでしょうか。

そうですね。みなさんに旅気分を味わっていただきたいというコンセプトで始まったシリーズですが、ここ最近はアルバムならではの遊び心のある楽曲も増えてきています。シングルとはまたちょっと違う世界観を楽しんでいただけるのではないかなと思っています。

──アルバムは最新シングル『日向岬』で幕を開けます。初回限定盤には同曲のMVや字幕付きカラオケのDVDも付いていますが、MV撮影時の思い出をお聞かせいただけますか。

次回のシングルは『日向岬』ですと告知をしたところ、すぐに日向市さんから熱烈なご連絡をいただいたんです。とても喜んでくださって、ぜひいらしてくださいと。MV撮影で伺ったときも、みなさんとても温かく迎えてくださり、しかもロケ地をピカピカにしてくださっていたんです。展望台の手すりなどもきれいに磨いてありました。そんな日向のみなさんのお気持ちがうれしかったですし、この曲も大切に歌っていかなければという思いを強くしましたね。

──インスタグラムでは、日向のご当地盆踊り「ひょっとこ踊り」を披露されていましたが、ひょっとこのお面を付けてドレスで踊る姿がシュールでクスッとしてしまいました。

アハハ。今年は『日向ひょっとこ夏祭り』にも参加させていただきました。ここ数年、コロナ禍でなかなか歌の舞台となったご当地に足を運ぶことができなかった分、地元のみなさんとの触れ合いや、『待っていたよ!』という歓迎の声が本当にうれしくて。あぁ、私がやりたいのはこういうことだと改めて感じましたね。

記録更新は自分のことではないような不思議な感覚

──『日向岬』はオリコン週間シングルランキング初登場8位と、20作連続初登場トップ10入りを果たしました。また昨年は、『NHK紅白歌合戦』20年連続出場を達成。このような記録を更新することへのプレッシャーはありますか?

あまり自覚がないというか、数字を言われて『あ、そうだったんだ』と逆に気づかされるようなところがあるんです。自分のことではないような気もするし、不思議な感覚ですね。プレッシャーも感じないことはないんですけど、やるべきことをコツコツやっていくしかないと思っています。

──『日向岬』は宮崎県が舞台。これで47都道府県のご当地ソングのうち、残すは徳島、福岡の2県となりました。両県のみなさんもドキドキしていることでしょう。

私も同じ気持ちです。次のシングルの舞台も決まっていないですし。ただここまで来ると、私というより周囲が『あと何県』と盛り上がっているようなところもありまして(笑)。そうやってみなさんが楽しみにしてくださるのは、ありがたいことだなと思いますね。

「やっと歌ってもらえる」という西島三重子からの言葉

──アルバムのオリジナル曲についてもお聞かせください。まずはフォーク調の『シラサギ』から。

シンガーソングライターの半崎美子さんが書いてくださった、北海道・利尻島の歌です。半崎さんとは歌番組で何度もご一緒したことがありますが、本当にピュアなお人柄です。そんな半崎さんそのままの透明感あふれる世界がスッと体の中に入ってきました。

──続く『厳美渓』は岩手県が舞台のダイナミックな王道の演歌。むせび泣くトランペットが物悲しさを引き立てます。

作曲は岡千秋先生。カラオケファンのみなさんのツボを抑えていらっしゃるだけに、歌の世界に気持ちよく誘われます。今回のアルバムでは、意外にも演歌らしいオリジナル曲がこの曲くらいで、シングルにしてもいいんじゃない?というほど、私自身歌っていてハマりました。

──『目黒川』は東京の歌。シンガーソングライターの西島三恵子さんが2018年にリリースしたシングル曲のカバーですね。

そう思われますよね。でも実はこの曲はもともと西島さんが私のために書いてくださった曲だったんです。結局、そのときは別の曲を歌うことに。そんな経緯もあってか、今回のレコーディングには西島さんもわざわざ御殿場から駆けつけてくださって、第一声が『やっと水森さんに歌ってもらえる』というものでした。

──本来はカバーではなかったんですね。

そうなんです。私も西島さんに『カバーとして歌わせていただきます』と言ったところ、『これは水森さんのために書いた曲だから、オリジナルと言ってください』とおっしゃってくださいました。実際、歌ってみたところ、音運びも言葉も隅々までしっくりくる。まるでオーダーメイドの洋服を着ているような心地よさがありましたね。

──『湖上駅』は静岡県の秘境が舞台。湖の上を吹き抜けるような澄み切った水森さんの歌声が哀愁を誘います。

湖上駅には直接伺ったことはないんですが、映像を見せてもらったところ、びっくりするようなところで。今は観光地になっていると聞きますが、この絶景の中で繰り広げられる出会いと別れにはどのような思いがあるのだろうとイメージしながら歌いました。桧原さとし先生らしい、演歌と歌謡曲のいいとこ取りのメロディーも歌い心地がよかったですね。

──『長崎ランタン』はしっとりとした失恋ソング。異国情緒の漂うメロディーが可愛らしくも切ない曲です。

胡弓の音色がまた幻想的で、悲しみを引き立てますよね。長崎にはコンサートで何度も訪れているのですが、ちょうど『長崎ランタンフェスティバル』が開催されている時期に伺ったこともあります。冬なので空気も澄み切っていて、とても綺麗だったことを、歌いながら思い出していました。

──そして『虹色のパレット』の舞台はパリ。前作『歌謡紀行21』でも、スペイン・マヨルカ島が舞台の『マルガリータ』を収録されていますが、近年は“歌で旅する”もワールドワイドに展開していますね。

これぞアルバムならではの遊び心といいますか、シングルではなかなかチョイスされないタイプの曲を歌わせていただいています。『虹色のパレット』はシャンソン調。音の運ばれ方がとても独特で苦戦しましたが、せっかく歌うなら楽しみたいですし、絵画のような歌詞の世界に身を委ねました。

常に10年先を楽しみにして歩んでいく

──ところで『歌謡紀行22』には、最新シングル『日向岬』、2013年のシングル『伊勢めぐり』、2003年のシングル『鳥取砂丘』と、10年刻みのシングルが収録されています。

確かに! 今、言われて気付きました。偶然だとは思いますが(笑)

──今年8月31日には50歳の誕生日を迎えられました。昨年は素敵に年齢を重ねている方に贈られる「グッドエイジャー賞」を受賞されましたが、節目の年齢になった今のお気持ちは?

私は常に10年先を楽しみにしているところがありまして、20歳になったときも『素敵な30歳になれるように』、30歳になったときも『素敵な40歳になれるように』と願ったんですね。同じように今は、素敵な60歳を目指して歩んでいきたいなと思っています。一昔前は60歳というとおばあちゃんみたいなイメージでしたが、今はみなさん本当にきれいで生き生きされていて、そうした先輩方の姿も10年後を楽しみにできている大きな理由です。

──先日は博多座の「水谷千重子50周年記念公演」にゲスト出演されました。友近さんとは同い年ということですが、共感するところも多いのでは?

友近ちゃんとは見てきたものが同じだから、話がとても盛り上がるんですよね。面白いと思うツボも似ていたりして。ただ違うのは、友近ちゃんはお仕事で訪れた土地を存分に楽しむタイプなんです。おいしいものを探したり、温泉に入ったりと、そこでまたインスピレーションも湧くそうなんです。一方で私はお仕事となると集中してしまって、息抜きが下手なんです。そこは真逆だねってお互い話したりしていました。

──では最後に、今年もいよいよ折り返しです。年末に向かっていく思いと、アルバムを聴いてくださる方にメッセージをいただけますか?

1月に発売して以来、たくさんの方に応援していただいている『日向岬』ですが、ここで改めて気持ちを引き締めて、1回1回を大切に歌っていきたいと思っています。『歌謡紀行22』は、日本最北の離島からフランスまで、歌のツアーコンダクターとしてお連れしますので、旅気分を楽しんでいただけたらうれしいですね。

水森かおり『歌謡紀行22~日向岬』

2023年9月20日発売

【初回限定盤】
CD+DVD

品番:TKCA-75170
価格:¥3,700(税込)

【通常盤】
CD

品番:TKCA-75171
価格:¥3,300(税込)

【収録曲】

M01.日向岬 (作詩:かず翼 作曲:弦 哲也 編曲:伊戸のりお)
M02.シラサギ (作詩:半﨑美子/作曲:半﨑美子/編曲:五十嵐宏治)
M03.厳美渓 (作詩:麻こよみ/作曲:岡千秋/編曲:矢田部正)
M04.五能線 (作詩:木下龍太郎/作曲:弦 哲也/編曲:前田俊明)
M05.鳴子峡 (作詩:かず翼/作曲:弦 哲也/編曲:伊戸のりお)
M06.目黒川 (作詩:みろく/作曲:西島三重子/編曲:矢田部正)
M07.湖上駅 (作詩:旦野いづみ/作曲:桧原さとし/編曲:佐藤和豊)
M08.高遠 さくら路 (作詩:伊藤薫/作曲:弦 哲也/編曲:伊戸のりお)
M09.伊勢めぐり (作詩:田久保真見/作曲:弦 哲也/編曲:伊戸のりお)
M10. 島根恋旅 (作詩:仁井谷俊也/作曲:弦 哲也/編曲:伊戸のりお)
M11. 早鞆ノ瀬戸 (作詩:たきのえいじ/作曲:弦 哲也/編曲:前田俊明)
M12. 長崎ランタン (作詩:さくらちさと/作曲:大谷明裕/編曲:佐藤和豊)
M13. 虹色のパレット (作詩:本橋夏蘭/作曲:なかまさや/編曲:若草恵)
M14. 鳥取砂丘 (作詩:木下龍太郎/作曲:弦 哲也/編曲:前田俊明)

【初回限定盤DVD 収録内容】

1.「日向岬」ミュージックビデオ
2.「日向岬」字幕入りカラオケ

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