北茨城出身フラガール引退へ ラウレア美咲さん 被災の古里に「1人じゃない」

23日で引退するフラガールのキャプテン、ラウレア美咲さん=福島県いわき市

福島県いわき市の温泉施設、スパリゾートハワイアンズのダンスチーム「フラガール」でキャプテンを務める茨城県北茨城市出身のラウレア美咲(本名・小室美咲)さんが、23日のステージを最後に引退する。新型コロナウイルス禍などの苦難を乗り越え、観客に笑顔と元気を届け続けて10年余り。台風13号で被災した古里に向け「皆さんは一人じゃない。希望は必ず見える」とエールを送る。

美咲さんは2012年4月、ハワイアンズを運営する常磐興産に入社。同時に、ダンサー養成学校・常磐音楽舞踊学院に入学した。デビューは同年7月。現在はキャプテンとしてメンバー約40人を引っ張る。

20年からの新型コロナ感染拡大では、休館や無観客でのパフォーマンスを余儀なくされたこともあった。「感情が踊りに出るのがフラ。(悲しさから)巻き返すため、メンバーとコミュニケーションを取って団結力を高めた」と当時を振り返る。

尊敬していたという前任者の後任として、21年に第18代キャプテンに就任。チームのけん引役としてさまざまな悩みを抱えたが、美咲さんは「仲間がずっと声をかけてくれて、気持ちが軽くなった。自分にできるキャプテンになろうと思った」。

出身の北茨城市は、ハワイアンズがあるいわき市同様、台風13号に伴う大雨被害を受けた。古里の住民に対しては「絶対に一人ではないし、声をかけてくれる温かい仲間もいるはず。自分からもヘルプを出してほしい」と呼びかけた。

ソロダンサーに授与されるハワイアンネームのラウレアはハワイ語で平和、幸福、友情を意味する。「一緒に『ラウレア』な時間を過ごしていただいた」。美咲さんは、これまで育ててくれた古里や観客への感謝を胸に、最終日のステージに立つつもりだ。

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