マドリーがベリンガムの劇的後半AT弾で初出場ウニオンに競り勝つ! 開幕全勝継続でマドリード・ダービーへ【CL】

[写真:Getty Images]

チャンピオンズリーグ(CL)のグループC第1節、レアル・マドリーvsウニオン・ベルリンが20日にサンティアゴ・ベルナベウで行われ、ホームのマドリーが1-0で勝利した。

2大会ぶりのビッグイヤーを目指すマドリーは、グループステージ初戦で大会初出場のウニオンをホームで迎え撃った。前節のラ・リーガで難敵レアル・ソシエダに2-1の逆転勝利を収め、開幕5連勝を達成したエル・ブランコは、週末にアトレティコとのマドリード・ダービーを控える中、先発4人を変更。負傷のカルバハルの代役にルーカス・バスケスを起用したほか、フラン・ガルシアとクロース、バルベルデに代えてナチョ、モドリッチ、カマヴィンガを起用した。

一方、クラブ史上初のCL初陣が最多王者とのアウェイゲームという痺れる形となったウニオン。ブンデスリーガでは開幕連勝スタートからの連敗と浮き沈みが激しい序盤戦に。今回のビッグマッチではボヌッチ、ゴセンス、トゥザールらCLで経験豊富な新戦力がスタメンに名を連ねた。

初出場のウニオンがベルナベウの空気に呑まれるかに思われたが、立ち上がりから集中した入りを見せる。そのため、試合はキックオフ直後から攻守の主導権が目まぐるしく入れ替わるオープンな展開に。その流れでマドリーはホセル、ウニオンはベーレンスと前線の選手がクロスへの反応からフィニッシュに絡んだ。

ただ、時間の経過と共にマドリーがボールを握って相手陣内でプレーする時間が増えていく。守備時は5バックを軸にしっかりと中央のスペースを消すアウェイチームに対して、モドリッチやベリンガムを起点に細かい揺さぶりをかけていくが、なかなかバランスを崩せず。フィニッシュのほとんどはセットプレーやミドルシュートに限られる。

前半半ばから終盤にかけても試合展開に大きな変化はなし。ボールの主導権を握り続けたホームチームだが、相手の守備ブロックの前でボールを動かす場面が多く、背後への飛び出しやコンビネーションでの崩しは皆無。完全に攻めあぐねる形で前半を終えた。

互いに選手交代なしで臨んだ後半は前半同様にオープンな立ち上がりに。その流れでマドリーが見事な波状攻撃を仕掛ける。

51分、右サイドから斜めにドリブルで仕掛けたロドリゴがそのままボックス内に侵入して右足のシュート。これはGKレノウの好守に阻まれるが、こぼれ球を繋いでルーカス・バスケスの右クロスをロドリゴが右足ボレーで合わせる。だが、今度は右ポストを叩いた。さらに、直後にもホセルがボックス付近で左足を振っていくが、枠を捉えたシュートはレノウの好守とDFボヌッチのゴールカバーにはじき出された。

さらに、畳みかけるマドリーは63分、右サイドを突破したロドリゴからの正確なクロスをゴール前にタイミング良く走り込んだホセルがヘディングシュート。だが、枠の左を捉えたシュートはGKレノウに触られると、惜しくも左ポストを叩いた。

後半に入ってよりゴールに迫るものの、最後の一押しが足りないマドリーは直後に2枚替えを敢行。チュアメニとカマヴィンガを下げてクロース、バルベルデとより攻撃的な中盤の選手を投入。

一方、粘り強い守備で0-0を維持するが、カウンターで相手を引っくり返せないウニオンは、ライドゥニとベーレンスを下げてフォラント、アーロンソンをピッチに送りこんだ。

クロースの投入によって作りの部分に人数を割く必要がなくなり、モドリッチはバルベルデと共によりボールの受け手として前目の位置でプレーに関与。良い位置でボールを引き出してチャンスに絡むが、最後のところでウニオンの壁を破れない。

その後、両チームは80分過ぎまでに交代枠、交代機会をすべて使い切り、後半最終盤の攻防に臨む。専守防衛の構えを見せるウニオンに対して、何とかゴールをこじ開けようとリスクを冒して攻め続けるマドリー。

ホセルらが再三のチャンスをフイにして引き分けでの終了が濃厚かに思われたが、最後の最後で最多王者の勝負強さを発揮した。5分が加えられたアディショナルタイムの94分、左CKのショートコーナーからクロースのパスをボックス手前で受けたバルベルデがミドルシュートを放つと、ゴール前での混戦を生む。これにいち早く反応したベリンガムが至近距離からのシュートをきっちり流し込んだ。

そして、この直後にタイムアップを迎え、初出場で大健闘のウニオンを最後に振り切ったマドリーが劇的な形で勝利。今季CLを白星でスタートすると共に週末のマドリード・ダービーに大きな弾みを付けた。

© 株式会社シーソーゲーム