「老後資金」貯まる人は歯がキレイ 貯まらない人は厚化粧

歯のメンテナンスを定期的にしっかりしている人も多い

50代の2人以上の世帯の平均貯蓄額は1千253万円。一方、24.4%の世帯が貯蓄なしとなっている(家計の金融行動に関する世論調査令和4年 金融広報中央委員会)。

「家計の相談にいらっしゃる中で、8割以上の方は変わろうと実行し、貯めていきますが、約2割弱の人は、変わらず貯められません。お金を貯められる人と貯められない人、それぞれに共通点や特徴があることに気づいたんです」

そう指摘するのは、2万件以上の家計を立て直してきた、家計再生コンサルタントの横山光昭さん。先日、『お金を貯められる人のすごい習慣』(ぱる出版)を出版した。

「基本は、収入―支出にプラスの差額が生まれるように管理できる人が、貯まる人。1~2カ月の短期ではなく、長く家計でプラスの差分を出していくことが必要です。収入が高い人がお金持ちというイメージがありますが、お金を貯めることは、それとはまったく別なんです」(横山さん・以下同)

実は、年収800万円以上、公務員、などお金がありそうな人が“貯まらない”ことも多く見てきたという。

「世代でいうと50代後半の方は、バブル時代を知っているし、終身雇用で、収入は右肩上がりの時代を生きてきました。でも今の時代はシビアです。55歳で役職定年になったり、再雇用でも収入は減少するなどの現実もあり、赤字が続いている人も多いです。

また、30~40代のパワーカップルと呼ばれ、夫婦合わせると年収1千万円を超える人でも、住居費や固定費、子供の教育費と費用をかけすぎて貯まらないことも多い。この共通点は家計の見直しも『今は忙しいから』『子供が夏休みだから』と、言い訳をして『いつかやろう』『なんとかなる』と、ずっと先延ばしにすることです」

一方、年収300万~400万円でも、10年間あれば、1千万円貯めた人も多くいると横山さん。

「『今、自分が家計をなんとかしなきゃ』と、お金への意識を持つこと。面談を終えて自宅に戻ってすぐに休む間もなく、『先ほどの質問の光熱費の明細です』と、フットワーク軽く、素直にアドバイスを即実行してくれる人は、数ヵ月後には赤字を解消し貯蓄も増えていきます」

■すぐ調べる、後回しにしないのが貯められるかどうかの差

今回、横山さんに、貯まる人と貯まらない人の、それぞれの特徴を聞いて、イラストにしてみた。

「貯まる人は、お金が好きで、お金のことを後回しにしません。わからないことがあると、すぐに自分で調べる力、その行動力があり、必要か不必要か判断力もつきます。

また体が資本と健康第一で、食事、睡眠にも気を配る。ウオーキングをしたり運動も心掛けています。また歯のメンテナンスを定期的にしっかりしている人も多い」

常に計算を習慣化している面も。

「特売、送料無料と、一見得に見えても、単価だとどう? と、『すぐ調べよう』と計算して、不必要なものには手を出しません」

食材を無駄にせず使いきることで食費も抑えられている。飲み物はマイボトルを持参する人も。

「お金の流れもシンプルで、光熱費、通信費、クレジットカードの引き落とし日や、支払いの内訳もしっかり把握しています。ポイントカードもよく使う2~3枚に集約して、ポイ活も積極的。何か足りなくてもなんとかするという意識も強いので、旅行の荷物が必要最小限で少ないのも特徴です」

一方、お金が貯まらない人は、「無料」「全品10%オフ」につられやすく、つい買い物をしてしまう。

「食品、スマホ、化粧品、保険、住居、教育費など、『絶対これじゃなきゃダメ』と、こだわりが強い。化粧品も高級なものを長年愛用していたり、服や靴も好きなブランドだけと、買い換えができない。

毎月一定額でサービスを受けられるサブスクの定期購入がお得と、音楽、雑誌、サプリ、ネイルなど申し込んでいる人も多い。でも金額分使っている人は少ないです」

また、スマホは格安スマホでなく、使い始めたときから大手キャリアで変わらない人も多い。

「毎日、カフェラテを飲んだり、ランチに出かけたり。ポイントカードを何枚も持ち、結局ポイントはたまらずの人が多い。毎月赤字続きは、やはり対処が必要です」

そんな人が節約を始めると「お金を使っちゃいけない」と、0か100かで完璧に頑張りすぎて、ストレスから爆買いに走る人もいる。

「一生懸命になりすぎず、使っていいものと使わないものとメリハリも大事です。まずは、買い物するときに、『これじゃなきゃだめ』から『これは本当にいる?』と、自分に聞いてみましょう」

できることから、貯まる人の特徴をまねしてお金を貯めよう!

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