ガーシー被告、被害者へ頭下げた「一生かけて反省し、謝罪を続け償っていきたい」 起訴内容認める

動画投稿サイトYouTubeで、芸能人や会社経営者らを脅迫したとして、暴力行為等処罰法違反(常習的脅迫)などの罪に問われた前参院議員のガーシー被告(51、本名・東谷義和)の初公判が19日、東京地裁(佐伯恒治裁判長)であった。

起訴状が読み上げられた後、ガーシー被告は「起訴状に書いてある発言について間違いありません」と起訴内容を認めた。同被告は強要、名誉毀損(きそん)、威力業務妨害、証人威迫を含めた5つの罪で起訴されているが、弁護側は暴力行為等処罰法違反について、脅迫行為の常習性について否認。「脅迫行為については常習性は認められない」として争う姿勢を見せた。

多くの人にとっては、スマホの画面以外で初めて聞くガーシー被告の肉声。法廷には白いワイシャツ、黒いスラックスで現れた。「東谷義和です」と第一声。裁判長から「仕事はしていますか」と問われ「今はしていません」と述べた。

ガーシー被告は「被害者の方々には大変申し訳ないと思っています。一生かけて反省し、謝罪を続け償っていきたい」と話し、傍聴席に向けて深々と頭を下げた。実家の母親が、身元引受人になったことを明かし「まもなく80歳になる母が、身元引受人になり、私を支えるために東京に引っ越してきました。母の気持ちを裏切り、悲しませるようなことは絶対にできません」と誓った。

検察側は、ガーシー被告から脅された俳優の供述調書を読み上げ「根拠のない情報で傷つけるのは許せない。自己肯定感がズタズタになりそうな所をこらえながら告訴した。心から反省してほしい」とした。

起訴状などによると、ガーシー被告は2022年2月から8月にかけて、YouTubeで俳優、会社経営者、ジュエリーデザイナーの男性3人に対して中傷、脅迫を繰り返したとされる。ジュエリーデザイナーについては事業から撤退させた威力業務妨害などの罪に問われている。

また、2023年2月にはインスタグラムで、俳優、ジュエリーデザイナーの男性2人の告訴を取り消させようと「刑事告訴してきた人間は絶対許さん」「裁判に出てくるってことが、どれだけタレントとして致命的か考えて出てこい」「自分の子供や奥さんにどれだけ迷惑かけるか、よう考えろ」などと脅したとされる。

初公判の18枚の傍聴券を求め、東京地裁には560人が並んだ。

(よろず~ニュース・杉田 康人)

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